現行モデル発表日:2021年6月29日
車両価格:696万円
ハイテクを駆使して理想的な走りを実現
今回初試乗したC220dはエンジンとトランスミッション 間に組み込まれた48VのマイルドハイブリッドユニットのISGの恩恵が大きい。エンジン始動の瞬間からディーゼ
ル特有のザラツキ感が薄くなり、扱いやすさとスムーズさを両立。2L直4ユニットながら、振動が少なく6気筒に匹敵するような滑らか な加速感と、下から盛り上がってくるトルク感によって上級クラス並みの落ち着いた走りが楽しめる。9速ATもシームレスで、 少なからずあった多段化への疑問や不満も消えた。
ワイディングロードでの走りは下腹にズシリと重みを感じる乗り味だ。収まりが良く、ボディの揺れは感じられない点は見事で、メルセデスらしい落ち着いた走 りをみせてくれる。
同時に試乗したC200の軽快さはリアアクスルステアリングの効果が大きかった。60km/h以下では2.5 度ま逆位相し、それ以上では同位相と逆位相を効果的に働かせることで旋回初期の動きは軽く、そして小回りも効くが、その後はピタリとラインに収まる。
一方、C220dは旋回後半は同じ安定感を持ちながら、旋回初期はハンドルに手応えを感じながら姿勢を作っていく。足もとの 動きは新世代となって軽くて緻密な動きを持ちつつ、両モデルともパワーユニットの味付け同様、従来の重厚さと、新技術を満載にすることで得られる軽快さを見事に融合した乗り味となっている。
ただし、大型タブレットを連想させる大画面がドンと構え、アナログスイッチがほぼ皆無のインテリアに昭和世代の私は戸惑ってしまった。(文:瀬在仁志)
メルセデス・ベンツ C220d アバンギャルド 主要諸元
全長:4755mm
全幅:1820mm
全高:1455mm
ホイールベース:2865mm
車両重量:1750kg
エンジン:直4DOHCディーゼルターボ+モーター
総排気量:1992cc
最高出力:147kW(200ps)/3600rpm
最大トルク:440Nm(44.9kgm)/1800〜2800rpm
駆動方式:FR
サスペンション形式:前4リンク 後マルチリンク
トランスミッション:9速AT
タイヤサイズ:225/50R17
車両価格:696万円