かつてWebモーターマガジンで人気を博した連載「モンスターマシンに昂ぶる」。その特別編として、昨今、いわゆる西側/自由主義陣営の陸軍で最も認知度と評価が高い、ドイツのMBT(Maine Battle Tank)/レオパルト2を紹介しよう。

27.4LのV12ディーゼルツインターボは1500psを発生!

画像: 外したMTU社のパワーパック。現代戦車ではメンテナンスが簡便なことも重要。左側が前方でV12エンジンのシリンダーヘッド2つが見える。左右に巨大なエアクリーナーと排気タービンがあり、後部が前後進5速のAT。下部に円盤状に見えるのが駆動軸、上部に円筒状ラジエターが載る。換装に要する時間でも実績がある。

外したMTU社のパワーパック。現代戦車ではメンテナンスが簡便なことも重要。左側が前方でV12エンジンのシリンダーヘッド2つが見える。左右に巨大なエアクリーナーと排気タービンがあり、後部が前後進5速のAT。下部に円盤状に見えるのが駆動軸、上部に円筒状ラジエターが載る。換装に要する時間でも実績がある。

他方、側面から見ると、とりわけ砲塔が長大で後発の第3世代戦車の象徴ともなる、大型砲塔となっている。この長大な砲塔は、前部の乗員区画と後部の砲弾庫が完全に分離しており、砲弾庫に被弾爆発の際は爆発エネルギーから可能な限り乗員を保護できる構造になっている。

動力系はパワーパックと呼ばれる、エンジンと変速機が一体化されたユニットで、エンジン本体は自国のMTU社製 MB873型 4サイクルV型12気筒ツインターボ ディーゼルを搭載し、排気量は27.4L、最大出力は1500ps/2600rpmという最強クラスの出力を誇る。これに前後進各5速ATを組み合わせたパワーパックは、量産初期型以来継続され高い信頼性と部品互換性を持っている。パワーパックは迅速な換装も利点で、その全体像も公開されている。

主武装はラインメタル社製 120mm(口径)L44(口径長)滑腔砲で、第2世代までの105mmライフル砲に代わり多様な砲弾を発射できる戦車砲だ。米軍のエイブラムスが同じ戦車砲で多くのソ連製戦車を撃破したのは有名だ。同砲は自衛隊の90式戦車も搭載するなど、改良型を含め西側諸国の戦車砲でスタンダード的な存在だ。A6型以降は1.3ⅿも長砲身のL55となり、超射程と威力はNATO(北大西洋条約機構)陣営最強と謡われている。

レオ2はWW2から先代レオ1まで継承される、戦車王国ドイツの信頼性から、NATO加盟国のほとんど、シンガポールやインドネシア、チリなども採用している。また、空調・指揮統制システム・射撃管制機器など相手先への適応性や、拡張性の高さから第3.5世代に跨るロングセラーになっている。今後も西側世界で最も人気ある豹戦車「レオパルト2」の伝説は続くだろう。(文 & Photo CG:MazKen)

レオパルト2のパワーパック 概要

■MTU製 MB 873ka-501
●形式:液冷4ストローク V型12気筒 ツインターボディーゼル
●排気量:27.4L
●最大出力:1500ps/2600rpm
●燃料タンク容量:約1160L
●変速機:Renk製 HSWL354 前後進5速AT
●最大速度:約70km/h(整地)

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