日本では2021年6月に発表された現行型ゴルフ。その後もヴァリアント、TDI、GTIとモデル追加が行われてきて22年10月に待望の「R」が発表された。日本仕様では、これでゴルフシリーズのフルラインナップが完成したことになる。RとID.による進化論、まずは最新ゴルフRの真価を探る。(Motor Magazine2023年3月号より)

これぞまさに別格のゴルフより好印象なヴァリアント

「ハッチバックボディと、“ヴァリアント」と称するステーションワゴンボディの2タイプから選択できる「R」グレードだが、とくに高速クルージングのシーンでは共に「DCCパッケージ」をオプション装着してタイヤもブリヂストンポテンザS005という同銘柄の2台で、実はヴァリアントの方により高い直進性や落ち着いた挙動が得られて、さらに好印象であったこともお伝えしておこう。 

画像: 先代DJH型から7kW、20Nm向上した235kW(320ps)、420Nm仕様のDNF型。なお車重は30kg増加。

先代DJH型から7kW、20Nm向上した235kW(320ps)、420Nm仕様のDNF型。なお車重は30kg増加。

最新型ゴルフのヴァリアントは、歴代シリーズ中で初めてハッチバックよりも長いホイールベースを採用している。50mmというその違いや60kgほど重い重量が、そうした微妙なキャラクターの違いを生み出していたと考えられる。

基本デザインは「GTI」と同様の2L4気筒ターボエンジンを搭載しながら、ターボブーストが高まった際の加速力はこちらRグレードの方が圧倒的に高いものであったことも確認。端的に表現するとそれは、4WDシャシの持ち主らしくトラクション能力に不足はないものの、むしろそれゆえにフル加速のシーンではハンドルに伝わる反力がスッと抜ける感触すら伝わる、という怒涛の加速感。それは、いかにターボ過給が行われているとは言え、とても2Lという排気量から発生されているとは信じられないほどのものと表現しても過言ではないものだ。

積極的なアクセルオンによって後輪にトルクベクタリング効果が強く働くことで、果敢なドライビングスタイルを取るほどに、アンダーステアとは無縁の感覚が得られるというワインディングロードでの走りのテイストも、「別格のゴルフ」というフレーズがより確固たるものとして感じられた。

日常のシーンではジェントルな振る舞いを示しながら、いざ鞭を入れればとてつもなくスパイシーな走りを披露してくれるーゴルフのエクステリアをかぶりながらも、まさに異端の存在と言えるのが「R」バッジを備えたゴルフRの秘めたる本性なのだ。(文:河村康彦/写真:永元秀和、井上雅行)

フォルクスワーゲン ゴルフ R主要諸元

●全長×全幅×全高:4295×1790×1460mm
●ホイールベース:2620mm
●車両重量:1540kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●総排気量:1984cc
●最高出力:235kW(320ps)/5350-6500rpm
●最大トルク:420Nm/2100-5350rpm
●トランスミッション:7速DCT(DSG)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・56L
●WLTCモード燃費:12.3km/L
●タイヤサイズ:225/40R18
●車両価格(税込):639万8000円

フォルクスワーゲン ゴルフ R ヴァリアント主要諸元

●全長×全幅×全高:4650×1790×1465mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1600kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●総排気量:1984cc
●最高出力:235kW(320ps)/5350-6500rpm
●最大トルク:420Nm/2100-5350rpm
●トランスミッション:7速DCT(DSG)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・56L
●WLTCモード燃費:12.2km/L
●タイヤサイズ:225/40R18
●車両価格(税込):652万5000円

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