「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、トヨタ アクアだ。

10・15モード燃費ではリッター40kmを達成!

画像: トヨタのハイブリッド車らしい、先進性も感じさせるインパネは、プリウス同様のセンターメーターを採用。

トヨタのハイブリッド車らしい、先進性も感じさせるインパネは、プリウス同様のセンターメーターを採用。

だが、これを達成するには単純にバッテリーを小型化するだけでなく、そこで失われることになる電圧をいかに効率良く昇圧するかがキーポイントとなる。プリウスでは約200V→600Vまで昇圧を行っているが、アクアは144V→520V。つまり昇圧比はアクアの方が高く、これにより電気的な損失が大きくなるそうだ。そこで昇圧コンバーターの制御を細密に行い、必要のない時にはあまり昇圧しないように制御するというシステムを盛り込んでいる。軽量・コンパクト化はハイブリッドカーにとってそう簡単なものではないらしい。

エンジンに対する取り組みも妥協はない。形式だけを見ると2代目プリウスが搭載していた1.5Lユニットだが、およそ70%の部品を新設計としている。ポイントは、クールドEGRシステム、触媒一体型エキマニ、電動ウオーターポンプ、小型インマニなどの新採用だ。いずれもどんな状況でも燃費を良くしようとした取り組みといっていい。

結果としてプリウスを上回るモード燃費を達成。LグレードはJC08モードで35.4km/L、10・15モードで40.0km/Lという驚異の数値を実現している。実際に郊外の一般道を短時間だが試乗してみると、その実力は頷けるところで、アッサリと30.0km/L(Lグレード、エアコンOFF)を超す数値をマークした。

また、車体の機敏な動きもハイブリッドカーとしてはかなり良好な部類で、低重心であること、そしてプリウスより300kg近く軽い1050kgという車両重量も十分に理解することができた。これはかなりの好感触だ。これなら兄貴分であるプリウスはもちろん、ライバルにも圧倒的なアドバンテージがあるに違いない。今後のライバル対決が楽しみになっていく。

画像: 撮影車はSグレードだが、以前に乗ったLグレードは10・15モード燃費で40km/Lを達成している。

撮影車はSグレードだが、以前に乗ったLグレードは10・15モード燃費で40km/Lを達成している。

トヨタ アクア S 主要諸元

●全長×全幅×全高:3995×1695×1445mm
●ホイールベース:2550mm
●車両重量:1110kg
●エンジン:直4 DOHC+モーター
●総排気量:1496cc
●最高出力:54kW(74ps)/4800rpm
●最大トルク:111Nm(11.3kgm)/3600-4400rpm
●モーター最高出力:45kW(61ps)
●モーター最大トルク:169Nm(17.2kgm)
●システム最高出力:73kW(100ps)
●トランスミッション:電気式無段変速機
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:レギュラー・36L
●JC08モード燃費:33.0km/L
●タイヤサイズ:175/65R15
●当時の車両価格(税込):179万円

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