カーリースには走行距離制限がありますが、各社走行距離制限が異なっています。また、超過した場合の精算金もそれぞれ異なるので、あらかじめ走行距離制限について理解しておく必要があります。ここでは、走行距離制限内で走行できる目安や、超過した場合の精算料金などの各社データを詳しくお伝えします。
カーリースはカーシェアやレンタカーとは違い、まるで自分のクルマのように使えるメリットがありますが、ネックになりやすいのが走行距離制限です。
例えば月1000km、1500kmなど、走行距離制限を設けているカーリースも多く、この点は自分の使い方と照らし合わせて選ばなければなりません。
また、各社設定される距離も異なり、それに合わせて月額利用料も変わってきます。
ここでは、カーリースの走行距離制限が設定される理由から、実際の走行距離の目安から走行距離制限内で走行できるカーリースプラン選び方、さらにカーリース各社で設定されているオーバーした距離の追加精算金をお伝えします。
走行距離制限があること自体は決してデメリットばかりではないので、自分にぴったりなカーリースを選べる知識をつけていただけますと幸いです。
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カーリースには距離制限があるって本当?
クルマを購入すると、走行距離を気にせずに乗れますが、自分のクルマのように使えるといわれるカーリースには走行距離制限が設けられています。
走行距離制限の設定は各社様々ですが、ひと月当たりに走行しても良い距離を設定している業者や、1年単位で走行距離を設定して、公表している場合がほとんどです。
カーリースが走行距離制限を設ける理由とは?
クルマを借りて乗るサービスにレンタカーがありますが、こちらは距離制限を付けていない場合がほとんどです。同じ借りるサービスなのに、カーリースには距離制限が設けられているのは以下の2つの理由があるからです。
- クルマの価値を維持させるため
- 残価を高く設定して安くカーリースを提供するため
クルマの価値を維持させるため
カーリースの貸し出しシステムは、残価設定と呼ばれるクルマの価値を据え置く方法を取って安くクルマを貸し出しています。つまり、価値を据え置いているので価値に影響する走行距離にカーリース会社はシビアになるため、走行距離制限を設けています。
中古車を購入検討するとき、同じクルマであればできるだけ程度が良いクルマを探す方がほとんどです。その際、特に重要視されやすいのが走行距離です。また、買取を利用したことがあれば、走行距離が買取価格に影響することもご存じでしょう。
つまり、クルマという商品は走行距離がクルマの価値を左右します。
このようなことから残価設定するカーリースでは、クルマの価値に大きな影響がある走行距離に制限を設け、契約満了時に残価を下回るようなことがないようにしているのです。
残価を高く設定して安くカーリースを提供するため
走行距離制限があることは不便なことばかりではありません。実は、走行距離制限があるおかげで、安くカーリースを使えることにもつながっています。
月額利用料を安くするには様々な方法がありますが、インパクトある方法は残価を多くするのが一番です。
返却時に高い価値を残せるほど利用料は安く設定できるためです。
多くの場合、月の走行距離制限を1,500km程度に設定していますが、残価を多く残して月額利用料を安くするカーリースでは、月の走行距離制限をひと月当たり500kmなどにしている場合もあります。
走行距離は少ないほどクルマは痛みにくく、また走らなければ消耗品の状態も保てます。また、キズや汚れを最小限にできますし、さらに内装にヤレも発生しません。
このような理由から、クルマの程度を新車に近い状態に保てる月間走行距離に設定するなどして、月額利用料が安いカーリースの提供をしている業者もあります。
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実際、どのくらいの走行距離設定が必要なのか?
ここまでの説明で、走行距離制限があることは、決してマイナス面ばかりでないことがお分かりいただいたかと思います。
そこで次に問題になるのが、「自分の場合、どれくらいの走行距離が必要になるのか?」です。
国内で一般的にクルマを使用する場合、ソニー損保が実施したカーライフ調査で以下の表のような結果となっていました。
想定シーン | 必要走行距離目安(月間) |
---|---|
通勤片道30分程度 | 417km~583km |
買い物等日常使用 | 250km~417km |
送迎のみであまり乗らない | 250km |
休日レジャー多め使用 | 583km~750km |
※参考:ソニー損保
通勤で使用する頻度が多い場合・・・年7,000km程度
毎日の通勤や通学でクルマを利用する頻度が高い方は、年間走行距離は5,000kmから7,000km程度が平均です。
もちろん、勤務地までの距離により変わってきますので、この点は注意しましょう。たとえば、片道1時間の通勤や通学になると年間走行距離は9,000kmから11,000km程度まで跳ね上がります。
通勤や通学する場合、いつも決まったルートを走行する方がほとんどですから、クルマのトリップメーターを使用して往復の距離を測ってみると年間走行距離がわかります。また、一度もクルマで走行したことがない場所であれば、Googleマップのルート検索をすると走行距離が表示されるので目安となるでしょう。
もちろん、通勤通学ではルート途中で買い物などする場合もあるでしょう。しかし、毎日のことではなくたまにのことなので、特に走行距離積算する必要はありません。これは、休日などクルマを使用しない日と相殺して考えられるからです。
買い物など日常使いが主な場合・・・年5,000km程度
日常的な買い物しか利用しない場合、年間走行距離は3,000Kmから5,000km程度と考えていいでしょう。
買い物など日常的なクルマの使い方は、毎日使用することはないでしょう。多くの場合、1週間に1回クルマを使う場合が多いことと、ショッピングセンターなどとの距離が近いともっと走行距離が少なくなる場合もあるでしょう。
こちらの走行距離はあくまでも目安ですが、仮に年間3,000kmとすると月の走行距離が250kmとなり一日当たり8km程度に収まるので、買い物など日常使いだけならこの走行距離を目安とすれば十分でしょう。
送迎のみに使用している場合・・・年3,000km程度
子供の送り迎えなどの送迎を主な使い値としてクルマを利用する場合、年間走行距離はおおよそ3,000km以下が目安です。
送迎場所は様々であり、送迎する日も人それぞれですが、多くの方の送迎距離は片道2km未満が多いので、毎日送迎しても3,000km以下に十分収まるでしょう。
もちろん、片道2kmでは済まない場所まで毎日送り迎えが必要な方もいると思います。その場合は、Googleマップのルート検索で距離を調べれば1年間の走行距離の目安が割り出せます。
クルマで休日に出かける頻度が多い場合・・・年9,000km程度
クルマを休日のレジャーに使用する方も多いでしょう。そういった場合、出かける場所にもよりますが、おおよその年間走行距離は7,000kmから9,000km程度になっています。
休日の使い方も近場だけの方や、時々遠くに旅行に出かける方もいますが、通勤で利用していても時々旅行に使用するだけであれば、年間走行距離は9,000kmに収まるでしょう。
また、休日に出かける場所は、住んでいるローケーションでかなり異なりますが、年間9,000kmとした場合、1週間に1回150km程度走行できるので、片道75km程度の場所まで遊びに出かけられます。75kmもあれば、様々な場所に寄り道もできるので十分な走行距離といえるでしょう。
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走行距離制限をオーバーした場合はどうなる?
やむを得ない場合で設定された走行距離をオーバーしていく場合も出てくることも想定できますが、その場合は次のような措置がとられます。
- 距離に応じて超過料金が発生する
- たまたまオーバーした月があっても年間で調整すればOK
距離に応じて超過料金が発生する
カーリースで設定された走行距離制限をオーバーすると、リース会社規定の超過料金が発生します。超過料金は、各社が定めた1km当たり〇円というように決められています。
例えば、超過距離が1,000kmだった場合、あるカーリース会社が設定する距離精算が1kmあたり5円に設定されていると5,000円を精算金として支払う必要があります。
つまり、超過した距離に応じて精算金が計算されるので、超過距離が多くなるほど精算金が高くなる仕組みです。
(参考)主なカーリース各社の超過料金一覧
以下は、主なカーリース会社が設定している超過料金の一覧です。
リース会社 | 超過料金 |
---|---|
KINTO | トヨタ車は1kmあたり11円(税込み) レクサス車は1kmあたり22円(税込み) |
リースナブル | 1kmあたり15円 |
定額カルモくん | 1kmあたり8円 |
ノレル | 月額利用料の20%×利用月数 |
オリックスカーリースオンライン | 1km当たり8円 |
クルカ | 1kmあたり10円 |
NORIDOKI | 1kmあたり10円 |
コスモMyカーリース | 超過走行によりクルマの価値が下がった分を精算 |
各社様々な走行距離制限を超過した場合の精算金設定を用意していますが、1kmあたり8円や10円で設定しているカーリース会社が多いことがわかります。
しかし、中には超過距離から精算金を算出するのではなく、月額利用料の20%を利用月数でかけた金額にしているところや、クルマの価値が下がった分を請求しているカーリース会社もあります。
計算方法が異なっても、すべて残価を下回った分の精算になることに変わりがないので、走行距離さえオーバーしなければなんら問題はありません。
たまたまオーバーした月があっても年間で調整すればOK
走行距離制限を設けているカーリース会社は、月間走行距離として表示している場合と年間走行距離として表示している2種類がありますが、どちらも基本的に契約満了時に精算する方法を取っているのが普通です。
そこで、契約期間中にある月に月間走行距離制限を上回っても、その後に超過分を相殺できれば問題ありません。
例えば、月間走行距離が1,500kmだった場合、4月に2,000Km走行してしまうと500kmオーバーしたことになります。しかし、5月に1,000kmしか走行しなければ、2カ月トータルで3,000kmなので走行距離制限内での走行となっており問題ありません。
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走行距離制限あり・なしのカーリースのメリット・デメリット比較
カーリースには、走行距離制限が設けられているのが当たり前でしたが、昨今は走行距離制限を設定しないカーリースプランも登場しています。それぞれメリットとデメリットがあり、ユーザーは内容を熟知しなければ、思ったリース内容と異なる事も少なくありません。
走行距離制限ありのカーリースのメリット
カーリースに走行距離制限があると、クルマの利用に制約が付くのでデメリットばかり浮彫になりますがそんなことはありません。走行距離制限内で走行できる方にとってメリットとなる部分もあります。
とくに以下の2点は、走行距離制限がないカーリースに比べて大きなメリットなので、なんでも走行距離制限がないカーリースを選ぶのではなく、自分の利用環境や利用方法を吟味して選ぶとかなりお得にカーリースできます。
- 残価が高い分、割安な傾向
- 短い契約期間も選べる
残価が高い分、割安な傾向
カーリースが走行距離制限を設ける理由は、残価設定があるためなので、月額利用料を抑えたいなら走行距離制限があるカーリースのほうがお得です。
契約満了時に、クルマを良い状態で維持させるには走行距離が少ないほうが有利になります。そこで、走行距離制限が少ないほど残価設定を高くできるので月額利用料を抑えられる大きなメリットがあります。
もちろん、平均的な走行距離制限であっても残価設定しているので、残価設定0円となっているカーリースより月額利用料が安い場合が多いでしょう。そのため、走行距離制限があれば毎月の出費を抑えてクルマに乗れる大きなメリットがあります。
短い契約期間も選べる
走行距離制限があるカーリースは、契約期間に柔軟性がある場合がほとんどで、1年から契約できる短い契約プランも選べます。
短く借りると、月額利用料は高額になってしまいますが、走行距離制限を設けて残価を設定することで、短い期間も割安でカーリースできる仕組みになっています。
短い契約期間で借りられるカーリースには、新車から最初の車検が訪れる3年で契約満了となるプランも多いので、常に新しいクルマに乗り継ぐことも可能です。よって、短い期間でカーリースしたい方には走行距離制限があるカーリースがメリットと言えるでしょう。
走行距離制限ありのカーリースのデメリット
カーリースに走行距離制限があると様々なデメリットがあるといわれています。特に自分のクルマのように使えるのに、走行距離制限があることで遠くに遊びに行かれないといったこともあるでしょう。その中でも以下の2つはデメリットの特徴といえます。
- 常に走行距離制限を気にする必要がある
- カスタムなど、クルマの自由度が低い場合が多い
常に走行距離制限を気にする必要がある
カーリースに走行距離制限があると、常にどのくらい走行しているのか気にしながら走る必要があり、普段より多く走行するときなどは、神経質になりやすいデメリットがあります。
クルマを購入して自分のモノとして使用していれば、日々の走行距離を気にしながらクルマに乗ることはほぼありません。しかし、カーリースでは月間走行距離制限が定められているので、月末になるほどその月の総走行距離が気になってしまうことでしょう。
特に、走行距離制限が短めになっているカーリースを契約していると、突発的にクルマを利用したいときに走行距離制限をオーバーする恐れがあり、おちおちクルマに乗れない場合がほとんどです。
このように走行距離制限は、利用の仕方によって利用者に精神的な負担になることも多いといえるでしょう。
カスタムなど、クルマの自由度が低い場合が多い
走行距離制限があるカーリースは、契約満了後は必ず返却する必要があるため、クルマは契約時の状態にして返却しなければなりません。そのため、自分好みにカスタムすると原状回復させる手間や、場合によっては違約金も発生するのでクルマを自由に使えるといっても、個性を出して乗ることはできません。
走行距離制限を設定しているということは、残価設定しているので契約満了時のクルマの価値を維持している必要があります。クルマの価値は、契約時の状態に近いほど高いので、契約時とかけ離れた状態になったクルマは、走行距離制限以前に返却時に原状回復費用などの負担が発生します。
中には、高額なカスタムパーツを取り付けて個性を出してクルマに乗りたい方も多いでしょう。しかし、カーリースでは、どんなに高額なカスタムパーツを取り付けても全くプラス評価されず、マイナス評価になる場合がほとんどです。
つまり、走行距離制限があるカーリースは、契約したクルマの状態で契約満了まで乗り続けられるならよいですが、自由にクルマをカスタムしたい方は、走行距離制限があるカーリースはデメリットでしかありません。
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走行距離制限なしのカーリースのメリット
カーリースには、走行距離制限なしのプランもあります。走行距離制限がないカーリースなら、自由に使えるのでメリットがかなり多くあります。中でも以下の4つは、走行距離なしのカーリースの大きなメリットと言えるでしょう。
- 走行距離を考えなくていいので気楽
- 急なライフスタイルの変化があっても安心
- カスタムなど自由に行える場合も多い
- 契約満了後はクルマをもらえる
走行距離を考えなくていいので気楽
走行距離制限がないと、自由に自分のクルマのようにどこにでも行くことが可能です。通勤通学が長距離の方でも、遠くに出かける機会が多い方も走行距離を気にする必要がありません。
一番のメリットは、走行距離制限がないと追加料金の心配をしなくてよいことでしょう。走行距離制限があるカーリースでは、オーバーしてしまうと追加料金が発生するため、使用するときも常にトリップメーターを気にしながら使用しなければなりません。
走行距離制限がなければ、契約満了時に走行距離超過分の精算金が発生しないので、毎月の月額利用料だけ支払っていれば問題ないことから生活設計が立てやすいといえるでしょう。
急なライフスタイルの変化があっても安心
生活の中で、ライフスタイルの変化は勤務先が突如変わるなどいつ起きるかわからない方も多いでしょう。そういった場合、自分で購入したクルマであれば、通勤距離が伸びても問題ありませんが、カーリースの場合は、通勤距離が走行距離制限を直撃するため問題になることも多いはずです。それが走行距離制限がなければ購入と同じなのでライフスタイルの変化に影響しません。
また、クルマをほとんど使用しない方が最小限の走行距離制限でカーリースしていた場合、ライフスタイルの変化で、日常的にクルマを使用しなければならなくなることもあります。例えば、子供の送り迎えが定期的に発生する場合や、郊外に引っ越しをして、買い物に出かける距離が延びるといった場合でしょう。
このようなライフスタイルの変化は、事前に予想できればカーリースするときに考慮して契約できますが、長期契約となるカーリースでは、数年後のライフスタイルを予想できないことも多々あるでしょう。その点、走行距離制限がないカーリースなら、どんなに走行距離が延びるライフスタイルの変化にも追従できるので安心です。
カスタムなど自由に行える場合も多い
走行距離制限がないカーリースのほとんどは、残価設定0円の場合がほとんどです。つまり、残価清算がないのでクルマを自由にカスタムできるメリットがあります。
クルマを所有する場合、クルマ好きにとって個性を出したクルマに仕上げたい方も多くいますが、カーリースは返却時に原状回復が基本なのでカスタム好きには向いていないサービスと言われてきました。
しかし、走行距離制限がないカーリースは、残価設定を0円に設定しているため、契約満了後にクルマを査定評価することはありませんから、クルマにどのようなカスタムをしていても、さらにキズや汚れがあっても精算が発生しない場合がほとんどです。
契約満了後はクルマをもらえる
走行距離制限がないカーリースプランの多くは、最後はもらえるプランにしていることがほとんどです。これは、契約期間を長くして残価を0円とすることによりクルマを最後は自分のモノにできるようにしているからです。
一般的にカーリースの仕組みは、契約満了したら返却か再契約、もしくは買取が基本でした。つまり、カーリースは借りているクルマなので、通常契約では自分のクルマにはなりません。しかも買取する場合は、残価精算する必要がありました。
しかし、近年人気が高まっているもらえるプランは残価を0円にしているため、契約満了時に残価精算する金額を毎月の利用料に含めています。この場合は、追加精算なく契約満了後に自分のクルマにできるメリットがあり、当然走行距離制限がないカーリースです。
走行距離制限なしのカーリースのデメリット
走行距離制限がないカーリースはメリットが多いように感じますが、ライフプランをよく考えないとデメリットになる場合も少なくありません。それは、走行距離制限なしに設定しているということは、残価が低いことや月額利用料を安くするために契約期間は長期になる場合が多いからです。
特に以下の2つは、走行距離制限なしの大きなデメリットになるので、利用前に自分のライフプランと照らし合わせる必要があります。
- 残価が低い分、割高な傾向
- 短期カーリースは選べない
残価が低い分、割高な傾向
走行距離無制限のカーリースは、契約満了後にクルマがもらえるプランになっていることがほとんどであり、残価設定は設けていません。つまり、カーリースを安く利用する大きなメリットが損なわれています。
走行距離制限を設ける理由は、契約時に設定された残価を維持させるためです。つまり、クルマの価値を維持させることが目的です。その反面、走行距離制限を設けないカーリースはどんなに走行しても問題ありませんが、走れば走るだけクルマの価値は落ちてしまいます。そこで、残価を設定しない場合がほとんどです。
残価とは、車両価格の一部を据え置き、残った金額を利用月数で割って毎月利用料として支払いますが、残価が多ければ月額利用料は安くできます。しかし、残価が低い場合や0円に設定されていると、車両代金の据え置き分がないので、車両代金全額を毎月の利用料で支払う必要が出てくることから割高になっています。
短期カーリースは選べない
走行距離制限がないカーリースは、基本的に残価が低く設定されるか0円なので、車両価格の据え置き分がありません。そのため、できるだけ毎月の利用料の負担を減らすため契約期間が長くなるデメリットがあります。
走行距離制限がないカーリースの多くは、7年以上の契約がほとんどで、それより短い期間でのカーリースはほぼないでしょう。つまり、3年や5年だけカーリースをしたい場合は、走行距離無制限は選べないことが多いといえます。
また、高額な車両価格のクルマほど、月額利用料が高くなるので、走行距離無制限で契約しようとしても、契約期間が9年や11年といった非常に長期的なものがほとんどです。そのため、短期間で高額なクルマをリースしたい場合は、走行距離無制限のプランは選べないのが普通です。
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走行距離制限付きと無制限で悩んだら
走行距離制限は、利用者にとって負担に感じる場合が多いでしょう。しかし、利用環境を考えれば走行距離制限付きでも問題ない場合がほとんどです。もちろん、走行距離制限なしでなければ、利用環境によっては不都合となる場合があるでしょう。
そこで、走行距離制限付きと走行距離無制限で悩んだら以下の3つのポイントを参考にするとよいでしょう。
- クルマを使う頻度を考えてみる
- 月額利用料が無理のない金額か考えてみる
- 契約期間がライフプランに影響しないか考えてみる
クルマを使う頻度を考えてみる
走行距離制限付きと制限なしを選ぶ場合、クルマの利用頻度を考えてみましょう。実際に自分がクルマを使用する環境を考えれば、意外に走行距離制限付きでも問題がないことがわかるはずです。
例えば、月間走行距離が1,000kmに設定されたカーリースがあったとします。そして利用環境が、通勤に往復で20kmだった場合、20日稼働で400kmです。買い物に出かける場合、近くのスーパーやショッピングモールまで、往復10km月に8回利用とした場合、80kmですから、通勤と買い物で480kmしか使用しません。
残りの520kmは休日にレジャーに使うことも可能となるでしょう。つまり、カーリースで一般的に設定されている走行距離制限は、意外に多くの方の利用環境で充分な走行距離と言えるでしょう。
その反面、往復40kmの通勤で20日稼働とした場合、これだけで800kmになってしまいます。さらに、買い物に往復20kmを月8回行うと、160kmなのでトータルで960km消費してしまいます。これでは、休日に遊びに行くこともできないことになるでしょう。
このように、実際に自分の利用方法を想定して月の走行距離を算出すれば、月にどれだけの走行距離があればよいかわかるはずです。しかもカーリース会社によっては、2,000kmの走行距離制限を設けているので、まずはどんな場所を走行するのか、そしてどういった場合にクルマを使うのか考えれば、走行距離制限付きが良いか無制限が良いか選べるはずです。
月額利用料が無理のない金額か考えてみる
カーリースは、残価設定により月額利用料を抑えたリース方法です。しかし、走行距離制限がないと残価設定がないので、月額利用料が高めになることがほとんですから、月額利用料に無理がないか精査して決めましょう。
カーリースプランの中には、ある一定の金額を上乗せするだけで走行距離無制限のもらえるプランも用意しています。例えばひと月500円というリーズナブルな金額をプラスした場合に7年リースすると、12カ月×500円×7年=42,000円多く支払うことになります。
次に走行距離超過分を計算してみます。1kmあたり8円とすると、42,000円÷8円=5,250kmとなり、年間750km、ひと月約63kmです。つまり、基本料金に少額プラスして走行距離無制限のもらえるプランにするか迷う場合、ぎりぎり走行距離制限内で使用できそうなら、走行距離制限無制限にする42,000円はかなり無駄な費用になるといってよいでしょう。
もちろん、最後はもらえるプランなのでクルマが欲しいのであれば、コストパフォーマンスは良いとも言えます。しかし7年以上利用したクルマをもらっても、その後の維持費や処分を考えると意外にもらわないカーリースのほうがお得ということもあります。
長く利用すればクルマは故障頻度が増え、しかも修理費用がかさむことも考えておく必要がありますから、本当にもらえるプランの走行距離無制限にしてもよいか考える必要があるでしょう。もちろん、もらえるプランでも返却も可能なカーリースもあるので、そういったカーリースを選ぶなら、トータルの費用が生活を圧迫させないか計画立てる必要があります。
契約期間がライフプランに影響しないか考えてみる
走行距離制限付きと走行距離無制限を比べると、走行距離無制限のほうが契約期間が長くなります。さらに、走行距離無制限でも途中解約すると走行距離制限付きと同じように距離精算があるので、ライフプランと照らし合わせて契約する必要があるでしょう。
生活環境の変化が激しい方で、引っ越しが多かったり勤務先の変更が頻繁にある場合などは、クルマの使用環境も大きく変わります。こういった生活環境が変わりやすい方は、契約期間はできるだけ短いほうが途中解約などのデメリットがありません。
契約期間は、走行距離制限付きであれば、1年から選べるカーリースもありますが、走行距離無制限の場合は7年以上がほとんどです。つまり、走行距離無制限は生活環境が変わらない方に向いているといえるので、契約期間中にクルマの利用環境の変化が訪れる恐れがあるなら、走行距離制限なしを選んだほうが無難です。
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走行距離制限があるカーリースを利用する際の注意点
走行距離制限があるカーリースを利用する場合、月の走行距離だけ把握していればよいわけではありません。まずは、以下の2つのポイントを押さえてから利用を考えましょう。
- 走行距離制限の規約を確認しておく
- 走行距離を把握しながら利用する
走行距離制限の規約を確認しておく
走行距離制限は、カーリース会社によって条件となる走行距離や、走行距離をオーバーした場合について規約が決められていますから、契約前に一通り走行距離制限の規約を確認します。
契約書は、小さい文字で難しい言葉を使い、わかりづらいことが多いので、走行距離制限付きのカーリースを利用しようとするならサポートに走行距離制限についての規約を電話やメールで確認すると安心です。
カーリース会社では、走行距離制限について月間で表示されていますが、多くのカーリース会社では、契約満了時の総走行距離をみて走行距離制限内なのか確認しています。しかし中には、毎月の利用距離から超過がないか確認する業者もあるので、走行距離制限で精算が発生するのは月ごとなのか年ごとなのか、それとも契約終了時なのか確認すれば安心です。
走行距離を把握しながら利用する
走行距離制限があるカーリースを利用するなら、走行距離を把握しながら利用するようにします。クルマには必ずトリップメーターが装備されているので上手に利用すれば走行距離の把握は簡単です。
基本的に契約前に自分の利用環境から月の走行距離を算出し、1日に走行してもよい距離を割り出せば安心でしょう。あとはそれを目安に走行していれば走行距離制限があってもオーバーすることは避けられます。
仮に、1カ月の走行距離がオーバーした場合、オーバーした走行距離分をほかの月に回すようプランを立てれば問題ありません。最近のクルマには、トリップメーターが2種類以上表示できるので、日々の走行距離と1カ月分の走行距離の表示に分けて使用していれば、1カ月内の走行距離の増減を調整しながら利用できるので安心です。
→【走行距離制限なし!】MOTAのカーリースでクルマを選ぶ!
走行距離を気にしたくない場合のカーリースの選び方
車に乗るなら走行距離制限縛りを嫌う方も多いでしょう。そういった方は、走行距離を気にしないカーリースを選ぶと問題ありません。多くのカーリース業者では様々なプランを用意し、カーリースごとでも走行距離制限も異なるので、以下の3つのポイントを押さえてカーリースを選ぶとよいでしょう。
- 自分の走行距離より距離が多いカーリースを選ぶ
- もらえるプランを用意しているカーリースを選ぶ
- 中古車カーリースを選ぶのも一つの方法
自分の走行距離制限より距離が多いカーリースを選ぶ
カーリースを選ぶ場合、走行距離制限があるカーリースが多いので、まずは自分がどの程度クルマを走らせるのか試算することからはじめます。そして、試算した走行距離より多い走行距離制限のカーリースを選べば契約満了時も安心でしょう。
走行距離は、それぞれの環境によって大きく変わりますから、一概にこの距離なら安心とは言えません。まずは、日々どの程度走行するのか、遠くまでクルマに旅行する頻度が多いのか見つめ直します。
遠くに出かける頻度が多い方は、ひと月の走行距離は軽く1,000kmを超え、年間2万km以上走行することもあります。そういった方は間違いなく走行距離制限がないカーリースが向いています。
クルマの利用を考える場合、なぜクルマの利用をしたいのか理由があるはずです。通勤や通学、日常の買い物や送迎、そして旅行を中心にしたクルマの利用など人それぞれですが、自分の理由の中で最も当てはまるものを中心に距離を算出すると、おおよその年間走行距離が出てきます。
また、国内の平均的な走行距離は10,000km程度なので、月に直すと830km程度となりますから、平均的な走行距離以上走るかどうか自分の環境と照らし合わせてみると走行距離制限をどの距離に合わせればよいかわかるはずです。
もらえるプランを用意しているカーリースを選ぶ
毎日の通勤や通学の距離が長く、しかも日々の買い物の距離も多い方もいるでしょう。そういった場合は、あっという間に走行距離制限を設定しているカーリースでは距離オーバーになるため走行距離制限がないもらえるプランを選ぶと安心です。
走行距離が多くなる方の多くは、通勤や通学の距離がかなり長い方に見られます。また、遠くにある郊外のショッピングセンターに出かけなければ買い物ができない方も多くいますから、そういった方は、走行距離制限がないもらえるプランが安心です。
もちろん、実際に自分が走行する距離を試算しておくことも重要です。カーリース会社によって、1か月間の走行距離が1,000kmから2,000kmと幅が広いので、場合によっては無制限より2,000kmの走行距離制限のカーリースで事足りることも少なくないからです。
中古車カーリースを選ぶのも一つの方法
カーリースを走行距離制限から選んでいると、どうしても無制限でなければ利用が難しい方もいます。しかし、走行距離無制限の場合、どうしても月額利用料が高くなりがちなので、乗りたいクルマを選べないことも少なくありません。月額利用料と走行距離制限でなやんだら、中古車リースを選択しに入れるとよいでしょう。
中古車リースは、リース会社によって選べるクルマや年式などのクルマの程度も異なりますが、多くが走行距離制限がないもらえるプランとしています。中古車リースなら走行距離を気にせずに安くワングレード上のクルマに乗れるメリットがあるでしょう。
中古車リースでは様々なプランも用意し、保証を付けているカーリースがほとんどなほか、クルマの基準も厳しいので程度が良い個体が揃っています。
中古車購入では、自分の目だけが頼りで、クルマに詳しくないと程度が悪い中古車をつかまされることも少なくありません。しかしカーリースは、クルマを貸し出してその間のメンテナンスもカーリースが行うサービスなので、程度が良い中古車を取り揃えているのが特徴です。
つまり、走行距離制限がなく月額利用料を抑えて上級グレードのクルマを選びたいなら、中古車リースはうってつけのサービスといえます。
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まとめ
カーリースに走行距離制限がある理由は、残価設定をしてクルマの価値を維持させるためです。そこで、各社走行距離制限を設けていますが、サービスに差をつけるために、走行距離制限の距離が異なる他、月額利用料にも大きく影響しています。
走行距離制限は、国内の平均的な走行距離を基準として算出されているので、ほとんどのカーリースで走行距離を超過することはほぼないといえるでしょう。しかし、利用環境によって人それぞれ走行距離も異なるので、カーリースを検討する場合は、自分の走行距離を算出して走行距離制限内に収まるのか確認してから契約に進むようにしましょう。