40年の歴史を持つMPVが時代に合わせてクロスオーバーSUVに進化
初代のエスパスは1983 年に登場。マルチパーパスビークル(MPV)の先駆け的存在であり、ファミリーカーの未来像を予感させるものでもあった。とくにモノシルエットを特徴とする斬新なスタイリングはまさに「比類ない」個性を放ち、ルノーブランドでもっとも広々とした室内空間はピープルムーバーの理想を象徴していた。
新型のエスパスは、その6代目となる。先代に当たる第5世代では、モノフォルムのミニバン的ルックスからややクロスオーバーテイストが加わったシルエットへと転身したが、新型のスタイルにはそこに、SUV としての逞しさやエレガントさがプラスされている。
とくにサイドシルエットはフロントノーズの厚みがより明確に強調されており、オンオフを問わないダイナミックな走りを予感させる。全長は4722mmで137mmも短くなり、全高は1645mmで32mm低くなった。
ルーフ全面を覆うサンルーフが生み出す「天井知らず」の開放感
たたずまいは明らかに変化しながらも、ピープルムーバーとしてのDNAはしっかり受け継がれている。外形寸法はやや引き締められたものの、ルノーシリーズ最大の室内のゆとりをキープ。5人または7人のドライバー/パッセンジャーが快適な長距離移動の時間を過ごすことができる、優れたパッケージは健在だ。
ルーフトップには、1平方メートルを超える大面積のサンルーフを備え、視覚的にも明るく広々としたインテリアを実現しているという。快適な移動をサポートする安全装備も充実、運転支援を担うシステムは実に32種類も備えられる。
独自の運転モード制御「マルチセンス」と進化型の4コントロール(4輪操舵システム)の組み合わせで、ドライビングの楽しさも十二分に味わわせてくれそうだ。
パワートレーンは 1.2L 直3ガソリンターボエンジン(130ps)と2つの電気モーターを組み合わせて200psを発生するE-TECHフルハイブリッドが搭載されている。車両重量は215kgもの軽量化を実現していることもあって、燃費は100kmあたり4.6L(約21.7km/L) を実現。航続距離は、最大1100kmに達するというから驚きだ。
新型エスパスは本国で2023年春から受注が始まる予定。日本市場への導入は今のところアナウンスされていないものの、実現すればかなりの注目株となりそうだ。