2022年7月、ミハエル・キルシュ氏に代わりフィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ氏がポルシェジャパンの代表取締役社長に就任した。今回、日本におけるBEVを普及させるための課題についてインタビュー、これから求められるものに対する取り組みの一端を、伺うことができた。(Motor Magazine 2023年5月号より)

運転が楽しく、日常は快適。そこにヘリテージが息づく

千葉 『モーターマガジン』誌の創刊は1955年で現在68年目です。Motorと誌名にあるように、創刊時からエンジンとともにモーターにも注目しています。

フィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフ(以下ヴィッツェンドルフ社長) ポルシェ911のデビュー時に記事で紹介いただけたのではないでしょうか

画像: ポルシェのBEVストラテジーを牽引するタイカンシリーズ。日本へ導入されていないスポーツツーリスモを含め、タイカン、タイカンクロスツーリスモという幅広いモデルがラインアップする。

ポルシェのBEVストラテジーを牽引するタイカンシリーズ。日本へ導入されていないスポーツツーリスモを含め、タイカン、タイカンクロスツーリスモという幅広いモデルがラインアップする。

千葉 もちろん、本誌は911の登場から注目しています。

ヴィッツェンドルフ社長 911は素晴らしいクルマです。ポルシェのヘリテージです。それだけ伝統もあります。ひとつの地域ではなく、世界中で人気があり、売れています。2023年はポルシェの75周年で、記念すべき年です。そして今年は大きなお祝い事も多く、一番大きなものは6月の頭にポルシェエクスペリエンスセンター(PEC)東京で開催します。何千人という多くのお客さま、ファン、関係者が集まり、盛大にお祝いしたいと考えています。

千葉 今、911とタイカンがあったらどちらを選びますか?

ヴィッツェンドルフ社長 とても難しい質問ですね。911は、情感があります。乗った時にワクワクする気持ちになる。でもタイカンの方が今は運転していて楽しいですね。先日、PEC東京のレーストラックで911GT3とタイカンターボを乗り比べたのですが、タイカンはアスファルトを摑むんです。このクルマはとてもパワーがありますが、日常は静かで快適で、リラックスできます。正直に答えると、日常的にはタイカンを選びます。

千葉 私も間違いなくタイカンを選びます。なぜかというと911のエキサイティングさは日本ではよく理解されていますが、タイカンの魅力はまだ理解できていない部分があるのではないかと思います。そうしたことを広めるのは私の役目でもあると感じているからです。次にPCA、プレミアムチャージングアライアンスについてお聞きしたいと思います。現在、ポルシェ、アウディ、フォルクスワーゲンの社ですが、このアライアンスは広げますか? それともフォルクスワーゲングループの中だけで完結させますか?

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