サーキットでは自分の愛車で、好きな時に好きなだけ走ることができる
このTHE MAGARIGAWA CLUBのコンセプトは「どのサーキットにも似ていないコースを持つ、世界に唯一のドライビングクラブ」だ。それを実現するために、このクラブに備わるサーキットのデザインは、なんとF1サーキットの設計も引き受けるTilke Engineers&Architectsが担当している。
最高峰のサーキットを手がける彼らに今回のプロジェクトを依頼した背景は、安全性を重視したことにある。タイヤバリアにはF1で使用されるTECPROバリアが採用され、フラッグは視認性の高いデジタル仕様を取り入れるなど、本クラブ会員が安心安全に走行を楽しむことへのこだわりが随所に現れている。
1周約3.5kmのコースは、800mのストレートに22のコーナーを持ち、上り勾配が20%、下りが16%という起伏の激しいものになっているが、安全に配慮した設計により安心したドライビングを楽しむことができる。
今回の内覧会でサーキット走行を体験することができた。先導車を走行したプロドライバー 荒聖治氏によると、これほど高低差のあるコースは世界に類を見ないという。とくに上りが20%勾配であることが珍しく、まるで峠道を走っているかのようなドライビング体験を味わわせてくれる。
この専用コースを、会員は自分の愛車で自由に走行することができる。施設内には給油ステーションが併設されているほか、MAGARIGAWA専属のサービスマンが走行前後に点検してくれるので安心して走り回ることができる。施設内に300台近く保管可能なオーナーズガレージも備える。
安全性に十分配慮したコースとはいえ、サーキット走行の経験が少ないオーナーにとって自由に走ることは難しい。そんな不安を解消するために、プロのレーシングドライバーによるレッスンを受けることもできる。
会員権は3600万円。アソシエイト会員の場合は400万円で入会できる
このTHE MAGARIGAWA CLUBは、正規メンバーになるためには3600万円の準備が必要だ。加えて年会費は22万円。特別なサーキットと特別なホスピタリティを用意する施設には、やはり特別な対価が求められる。
ただし会員権の有効期限は無制限だが開業から6年が経つと譲渡できるようになるため、その権利を手に入れていつかこの地に気軽に行けるようになりたいと思う人も多いことだろう。
正会員は前述したとおりまるで夢の世界だが、アソシエイト会員ならば入会費は400万円。コース利用可能日が年間で50日前後少ない上に、クラブハウス施設内のバーラウンジは正会員の利用に限られるが、その他の利用条件は正会員と変わらない。
5年ごとに180万円の更新費がかかり、年次諸費用で毎年105万円必要となるが、正会員と比べると敷居が低いと言えるだろう。これなら、まったくのおとぎ話というわけではない。究極の大人のこの遊び場は、憧れのクラブとしてクルマ好きに大注目の存在だと感じた。