メルセデスベンツは、既存のモデルシリーズを2030年までにBEVに置き換えるべく19年のEQCからEQS SUVまで8車種を市場に送り込んできた。そしてGクラスも例外でないことを21年のミュンヘン国際オートショー(IAA)のコンセプトカーで公表した。(Motor Magazine2023年6月号より)

日常的には無関係。けれど「いざ」という時の安心感が違う

画像: 急角度の階段路を難なくクリアしていく。乗員にとっては空しか見えないような景色の中を登っていくわけだ。

急角度の階段路を難なくクリアしていく。乗員にとっては空しか見えないような景色の中を登っていくわけだ。

まずは岩肌の露出したラフロードを進んで行くが、新設計のリアリジッドアクスルは確実に路面を捉えている。さらに壁のようにそそりたつ登坂路をクリア、続く下りでは回生力を使ってのHDC(ヒルディセントコントロール)で、電気式ならではの緻密な制御を見せてくれた。

さらに床下に搭載されたバッテリーによる低重心のお陰で度の傾斜路も難なく通過。防水&絶縁対策も完璧で、サイドシルを超える深さの渡河も可能だった。

この日のハイライトは「Gターン」と呼ばれる特殊な運転技の披露。左右の車輪をそれぞれ反対方向へ回転させることで、同じ場所で360度ターンを行うことができる。日常ではあまり意味がないと思うがパフォーマンスとしては圧巻だ。アウトバーンでの巡航テストでは、ICE以上にどっしりと安定した乗り心地を確認した。

Gクラスは、ICE搭載モデルも継続してまだ長く生産されるだろう。EQGは既存モデルにとって代わる存在ではなく並行して販売されるはずだ。価格はシリーズ中でもっとも高価、20万ユーロ(約2950万円)は下らないだろう。

果たして、次の50万台にEQGはどれほどの割合を占めるのか?EQGは24年からドイツを中心に発売が始まり、Gクラス人気が高い日本への輸出も考えられているが、時期はまだ発表されていない。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)

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