長いストレートと深く切れ込んだコーナーの組み合わせ
では、ナダGPが行われるジル・ヴィルヌーヴ・サーキットのコースを見てみよう。
カナダGPが開催されるジル・ヴィルヌーブサーキットは、長いストレートと深く切れ込んだコーナーの組み合わせが特徴のいわゆる「ストップ・アンド・ゴー」サーキット。1967年のモントリオール万博の会場跡地を利用して作られたコースは、ふだんは公園として使われているため、グリップがそれほど高くないのもポイントとなる。
多くの部分がストレートとシケインで構成されているため、ストレートからのブレーキングでオーバーテイクのチャンスはあるが、ブレーキへの負荷は大きく、トラクションの良さやエンジンパワーなど複数の要素がからみあうため、コースの攻略は簡単ではない。
名物コーナーは13コーナーとシケイン。オーバースピードで縁石に乗ってアウト側のコンクリートウォールに激突するアクシデントが多く、多くのF1王者もクラッシュを喫したことから「チャンピオンの壁=Wall of the Champions」と呼ばれている。
長いストレートがあることからレッドブル有利という声もあるが、単純なストップ・アンド・ゴーではなく、左から右、右から左へと続くコーナーはリズミカルで、ひとつでも間違えると走りのリズム全体が崩れる難しさを持っている。
天候の変化に伴う気温の急変にも要注意だ
もうひとつ考慮すべきは天候。雨によりドライからウエットに変わるだけでなく、気温が急速に変化する可能性がある。 昨年の予選時の路面温度が17度だったのに対し、レースでは40度に達した。
タイヤ戦略は1ストップが主流になると思われるが、このコースはピットストップロスが小さいこともあり、気温が上がった場合は2ストップをとるドライバーも出ててくるだろう。
タイヤを供給するピレリは、カナダGPについて「ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットはオーバーテイクのチャンスが豊富にある、ハプニングやサプライズ満載のサーキットです。昨年と同様、C3、C4、C5 というラインナップで最も柔らかい3つのタイヤを供給します。 ふだんは公園として使われるサーキットは、週末にかけて高度なトラックの進化が見られます。 コースは6つの左ターンと8つの右ターン、3本のストレートで構成されます。 連続するコーナーで頻繁に方向を変え、ブレーキをかけ続けるため、長いストレートがありますが平均速度は比較的低くなります。レースでは主にミディアムとハードコンパウンドが使われることになるでしょう」と分析している。
さて2023年はどんなレースとなるのか。第9戦カナダGPは6月16日13時30分(日本時間17日02時30分)から始まるフリー走行で開幕する。
2023年F1第9戦カナダGP タイムスケジュール
フリー走行1回目:6月16日13時30分〜14時30分(日本時間17日02時30分〜03時30分)
フリー走行2回目:6月16日17時〜18時(日本時間17日06時〜07時)
フリー走行3回目:6月17日12時30分〜13時30分(日本時間18日01時30分〜02時30分)
予選:6月17日16時〜17時(日本時間18日05時〜06時)
決勝(70周):6月18日14時〜(日本時間19日03時〜)