オンロードではゆったりと気持ちよく走る
そして、もうひとつの4WD専用チューンが前後4本のショックアブソーバーだ。
三菱の岡崎製作所にあるクロスカントリー路をはじめとする荒れた路面・未舗装のテストコースで開発を進められ、荒れた路面での快適性と、そしてオフロードでの路面追従性と走行安定性を高めるセッティングを行われてきた。
4WDモデル専用に与えられたのはこのふたつ、いずれも足まわりの柔軟性を高める設定でその恩恵を感じられるシーンは砂利道や草地などオフロードの方が多いだろう。悪路でタイヤが空転した時、ブレーキ制御で駆動力を空転していないタイヤに伝えるグリップコントロール機能を標準装備(FF/4WD)していることもあって、頼もしさ・安心感は高い。
もちろん街中を走っていても、一般道からスーパーの駐車場へ進入するときの段差、橋の継ぎ目、わだちなど、快適性を感じられるシーンは多くある。
とくにコーナリング中にわだちを乗り越えると車体を左右に揺さぶられて不安感を感じることもあるが、今回の試乗コースで似たようなシーンに出くわしても安定感の高さを示してくれた。全高の高さゆえの揺れはあるが、これをすぐに収束させてフラットな体勢に整えてくれるのだ。
驚かされた、ストレスフリーな高速道路での巡行運転
今回、高速道路をからめた試乗ルートを引いて、ETCゲートから合流(20km→80km/h加速)を試してもターボ付き659ccエンジンが発生する64ps/100Nmのパワーは十分すぎる・・・余裕ある加速性能を示す。
それ以上に驚かされたのはスーパーハイトワゴンとは思えない直進安定性の高さで、これを支えるシステムが4WDだ。基本構造はオンデマンド方式としているが、前後輪にわずかな回転速度差を設定することで後輪に駆動力を常時配分するフルタイム4WDなのだという。前述したわだちでの安心感も、この駆動方式を採用しているからこそ得られた性能なのだろう。
プレミアム系に標準装備されるADAS、カメラとミリ波レーダーを組み合わせたマイパイロットのACC(アダプティブクルーズコントロール)を起動させれば、高速道路での巡行も楽ちん。車線維持支援機能のハンドルアシストもスムーズで違和感を感じない。ターボエンジンのパワー感と直進安定性の高さ、ADASを標準装備するゆえ、長距離移動は苦にならない。