1970年代の後半に大ブームが起き、今もなお人々を魅了してやまないスーパーカーたち。そんな懐かしいモデルから現代のハイパースポーツまでを紹介していく、スーパーカークロニクル。今回は、ブガッティ EB110だ。

ブガッティ EB110(BUGATTI EB110:1991-1995)

画像: ブガッティの伝統である馬蹄形のグリルを付けることを拒否して、ガンディーニはプロジェクトから外れたと言われている。

ブガッティの伝統である馬蹄形のグリルを付けることを拒否して、ガンディーニはプロジェクトから外れたと言われている。

エットーレ・ブガッティによって1909年に設立されたフランスのスポーツカー メーカー、ブガッティ。しかし、第2次大戦で工場が破壊され、エットーレの死後はブガッティというブランドは長らく消滅していた。1987年、イタリアの実業家であったロマーノ・アルティオーリがブガッティのブランドを取得し、イタリアにブガッティ アウトモビリを設立。1991年に「EB110」が登場した。EBはエットーレ・ブガッティのイニシアル、110はブガッティの生誕110周年を意味する。

開発は当初、エンジニアリングをパオロ・スタンツァーニ、デザインをマルチェロ・ガンディーニが行ったことからもわかるように、根底にはランボルギーニ カウンタックが露呈したネガを解消する思惑があったようだ。だが諸般の事情でガンディーニはプロジェクトから外れ、ザガートがモディファイしたデザインが採用された。

CFRP製のバスタブ形モノコック シャシのミッドに縦置きされるエンジンは、気筒あたり5バルブ(吸気2/排気3)DOHCの3.5L V型12気筒。これにIHI製のターボチャージャーを3気筒ごとに4基装着する。ボア×ストロークは81.0×56.6mmというショートストロークのため、最高出力の560psは8000rpmという高回転で発生した。

駆動システムは、V12エンジンと並列配置した6速MTからセンターのトルセンLSDを介した、機械式フルタイム4WDというものだ。そのパフォーマンスは、最高速は350km/h、0→100km/h加速は3.5秒、0→1000m加速は20.7秒と公称された。

翌1992年にはアルミニウム製のボディパネルをCFRPに換装し、キャビンにもカーボンを多用して軽量化を図ったシャシに、611psまでチューンしたエンジンを搭載したEB110Sを追加した。だが1995年にブガッティ アウトモビリは倒産。その後、ブガッティ ブランドはフォルクスワーゲン グループが取得し、傘下のブガッティ オートモビルとして新たなスーパーカー メーカーに生まれ変わり、現在に至っている。

画像: 当初ガンディーニが関わったデザインだけに、カウンタックを進化させた空力ボディにシザーズドアを採用。リアエンドには可動式ウイングも備える。

当初ガンディーニが関わったデザインだけに、カウンタックを進化させた空力ボディにシザーズドアを採用。リアエンドには可動式ウイングも備える。

ブガッティ EB110 主要諸元

●全長×全幅×全高:4400×1940×1125mm
●ホイールベース:2550mm
●車両重量:1620kg
●エンジン種類:60度V12 DOHC+ターボ×4
●総排気量:3500cc
●最高出力:560ps/8000rpm
●最大トルク:63.0kgm/3750rpm
●燃料:無鉛プレミアム
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:縦置きミッドシップ4WD
●タイヤサイズ:前245/40R18、後325/30R18

画像: amzn.to
amzn.to

This article is a sponsored article by
''.