人生をいっそうアクティブに演出するマルチマシン
SUBARU XVがグローバルの統一名で新型クロストレックとして登場。その外見は若々しさが増し、都会でもアウトドアでも映えるクルマに仕上がっている。停まっている姿を見ただけでワクワクさせるエクステリアである。
スタイリッシュなボディと十分な車内空間を両立。シート表皮はリミテッドはファブリックとなる。
車高が高い本格的なSUVには抵抗がある人も、これなら臆せず乗れるはずだ。全長4480mm×全幅1800mmと手ごろなボディサイズなので、都市部や市街地の込み入った道でも大きさを持て余すことはないだろう。
ほかのスバル車と同様に、前席ウインドウのボトムラインは低めで、フロントドアの三角窓やリアクオーターウインドウによって全方位にわたり良好な視界が確保されているところはさすがだ。
ボディサイズは手ごろでも、後席も含め居住空間や荷室の広さも十分に確保。また乗り降りしやすいように配慮されていることも、使うと強く実感できるところだ。
万人に優しい乗り心地。走りはカドがなくスムーズ
高めの地上高と18インチという大径タイヤは、見た目だけでなく走りにも効いている。剛性の高い第2世代のSGPに加えて、足まわりにストローク感があり、しなやかに路面を捉えて、道路の起伏や継ぎ目を通過しても姿勢が乱れにくく、乗り心地も快適なのだ。
フェンダーの張り出しで安定感を表現。最低地上高はFWD、AWDともに200mmが確保されている。
ハンドリングも意のまま。ドライバーの意思に正確に応答して修正舵をあまり必要としない。これなら日々の運転も気持ち良く走れて、休日も疲れ知らずのドライブができる。
2L水平対向4気筒エンジンはいい意味で主張が強くない。それは普通に運転していて気になることがないということ。そしてエンジン＋モーターのパワーユニット「e-BOXER」のリニアなレスポンスとフラットなトルクにより、乗りやすい点も特筆ポイントだ。音や振動も小さく、高めの回転域でも騒がしくならないのは、さすが水平対向エンジンである。
さらに、市街地での発進時や車速が高めの郊外での再加速時にも、軽やかに車速が上昇していく感覚があるのは、e-BOXERならでは。そのおかげで、どんなシチュエーションでも乗りやすい。
また、キャンプ場など最後に悪路が待っている目的地でも、気にせずアクセスできる。200mmの最低地上高がメリットとして生きるわけだ。さらに今回試乗した「X-MODE」を備えるAWDであれば、より安心感は大きい。
スバルが強みとする運転支援装備も期待どおりの充実ぶりで、遠出するほどありがたさを実感するに違いない。この価格帯で、こんなにも楽しく内容も充実したクルマは、他に心当たりがない。（文：岡本幸一郎／写真：伊藤嘉啓）
スバル クロストレック リミテッド（AWD）主要諸元
●全長×全幅×全高：4480×1800×1575mm
●ホイールベース：2670mm
●車両重量：1610kg
●エンジン：対4DOHC＋モーター
●総排気量：1995cc
●最高出力：107kW（145ps）／6000rpm
●最大トルク：188Nm／4000rpm
●モーター最高出力：10kW（13.6ps）
●モーター最大トルク：65Nm
●トランスミッション：CVT
●駆動方式：4WD
●燃料・タンク容量：レギュラー・48L
●WLTCモード燃費：15.8km／L
●タイヤサイズ：205／50R18
●車両価格（税込）：328万9000円
