エンジンによる事業と電動化の事業を分けたことによる効果
──鶴薗さんは、これまでも長く、パワープロダクツ事業に携わってこられたのですか。
鶴薗氏 「入社してから5年ほどIT関連の部署にいましたが、ホンダには、耕うん機や除雪機、発電機など人々の生活の役に立つ製品を扱うパワープロダクツ事業があり、ぜひとも携わりたいと希望したところ、望みが叶って異動することになりました」
──タイ、アトランタ、トロント、ベトナム、中国・重慶などにも赴任されていますね。
鶴薗氏 「タイ・バンコクはパワープロダクツ事業の主力となるGXエンジンの生産拠点、アメリカ・アトランタはそのエンジンの世界最大の仕向け市場でした。カナダとベトナムでは二輪・四輪を担当しましたが、中国・重慶では再びパワープロダクツの拠点長として仕事をしました」
──2023年4月からの組織変更に伴いパワープロダクツ事業統括部長に着任されましたが、具体的には、パワープロダクツ事業はこれまでとは仕事の内容などがどのように変わるのでしょうか。
鶴薗氏 「4月から電動事業開発本部が発足しました。これは二輪とパワープロダクツの電動領域の開発機能だけでなく、四輪事業にかかわる事業戦略とBEVの商品開発機能を集約して、電動化事業のさらなる強化を図る目的で発足したものです。四輪、二輪、パワープロダクツのすべての電動化の開発を集約して、開発スピードと効率を上げるというのが狙いです」
──電動事業開発本部の発足によって、どのような効果が期待できるのでしょうか。
鶴薗氏 「これまでのエンジンによる事業と新しい電動化事業を分けることで、既存の基幹事業をより強固にしつつ、スピーディに新しい商品の企画開発を行い世に送り出すことができることに加え、既存事業にも新たな価値を創造していくことができると期待しています」