SUVの元祖の1台と言っていいジープ。その歴史も長い。自動車メーカー各社が電動化へ進む中、そんなジープも電動モデルのラインナップを拡大。3モデルをラインナップした元祖オフローダーの電動化の現状を見ていこう。(Motor Magazine2023年7月号より)

進化も感じられた、しっかりと伝わる接地感

前置きがだいぶ長くなったが、そろそろラングラー4xeの印象を報告しよう。

画像: 電動化しても変わらなぬジープ らしさを備えている。(ラングラー4xe)

電動化しても変わらなぬジープ らしさを備えている。(ラングラー4xe)

オフロード走行性能優先のルビコンは、例によって大柄なブロックパターンのマッドテレインタイヤを履いているが、このタイヤがクルマの第一印象を決めているといっても過言ではない。走り始めればヒーヒーというロードノイズが耳に届き、とくに低速域ではブロックパターンゆえのざらついた手触りが伝わってくる。

高速道路では、ひと昔前のクルマのように、周期的に右へ左へとハンドルを切らなければいけないのも、このマッドテレインタイヤの影響とみて間違いなさそうだ。

ただし、冷静に観察すれば、ハンドルを通じて接地感もしっかり伝わってくるし、修正のためにハンドルを切り込んでからそれがクルマの動きに反映されるまでの時間も、かつてに比べればはるかに短い。しかも、コーナーに向けていったんハンドルを切り込めば、まずまず一定の走行ラインを保ってくれるので不安感も少ない。

外観は同じように見えるマッドテレインタイヤだが、その実、しっかりと進化していることが今回の試乗をとおして理解できたように思う。

オフロードで扱いやすい、リニアに立ち上がるトルク特性

同じパワートレーンを搭載するグランドチェロキーではほとんど目立たなかったエンジン音も、ラングラー4exでは比較的はっきりと聞こえる。もっとも、ロードノイズのほうがそれ以上に大きいから、ほかの多くのPHEVとは異なり、EV走行だからといって「静かだなあ」という印象も少ない。とはいえ、これくらい賑やかなほうがいかにもラングラーらしく感じたのも事実である。

画像: モーターのみで53kmの走行が可能。(グランドチェロキー4xe)

モーターのみで53kmの走行が可能。(グランドチェロキー4xe)

エンジンは、かつての3.6L V6エンジンに比べると、ボトムエンドでのトルク感がやや物足りなかったものの、スロットルペダルの踏み込み量に応じてトルクがリニアに立ち上がる特性。それだけに、とくにオフロードでは扱いやすいタイプと推測できる。

今回は河原のジャリ道などを軽く走った程度で本格的なオフロード走行は試していないが、4WDシステムやシャシの基本的なスペックを考えれば、従来のラングラールビコンに対して悪路走破性が明確に低下したとは考えにくいが、車重が300kgほど重いためか、カタログ上のWLTC燃費は8.6km/Lで、コンベンショナルな2Lターボを搭載するアンリミテッド ルビコンの9.2km/Lを下回っている。

本来、PHEVは外部電源で充電した電力で走行するのがCO2削減にはもっとも効果的とされるが、それにしても、燃費単体でもう少しエンジン車をリードして欲しかったというのが正直な印象だ。

ちなみにラングラー4xeの価格はエンジン車より125万円高い1030万円。ラングラーの温暖化現象防止に向けた第一歩が、この4xeシリーズから始まった。(文:大谷達也/写真:井上雅行、永元秀和)

This article is a sponsored article by
''.