ジープブランド初のBEV専用車アベンジャーは、ジープのラインナップの中で最小サイズながら、 eCMPプラットフォームによる高い実用性とジープに相応しい走破性を備えたコンパクトSUVである今回、スペインのマラガで開催された試乗会でこの電動SUVの真価を確かめた。(Motor Magazine 2023年7月号より)

航続距離は約400km。ジャストサイズボディに高い実用性を備える

ステランティスグループのジープブランドから2022年のパリモーターショーで発表された初のBEV、アベンジャーは、PSAのeCMPプラットフォームを使ってイタリアで開発、生産はポーランドとまさにヨーロッパ市場を意識したモデルである。前評判も上々で年のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーの大賞も獲得している。

画像: 中央に10.25インチのタッチスクリーンを搭載し、水平基調でシンプルかつ機能的なインテリア。収納も多い。

中央に10.25インチのタッチスクリーンを搭載し、水平基調でシンプルかつ機能的なインテリア。収納も多い。

ジープのアイコンである7つのスロットグリルと四角いヘッドライトを持ったアベンジャーはコンパスやチェロキーを小さくしたようなデザインが与えられている。

ジープブランドらしいのはホイールハウスとボディを取り囲む黒いハードプラスチック製のプロテクトモールだが、オフロードよりも都会のスーパーマーケットなどで金属製の買い物カートが直接ボディにあたるのを防ぐ役割を持っているように見える。

ボディサイズは全長4.08n、全幅1.78m、全高1.53m、そしてホイールベースは2.56mと、サブコンパクトに属するジープレネゲートよりも全長は16cm も短く、明らかにエントリーモデルだ。

フロントに搭載されるパワートレーンは156psと 260Nmを発生する電気モーターで前輪を駆動する。カタログ上のスペックでは0→100㎞ /h加速が9.0秒、最高速度は150㎞/ hとかなり控えめなものである。

床下に搭載されるバッテリーは400Vで102個のセルを持ち、容量はネットで50.8kWh、航続距離は最大でおよそ400km と十分だ。さらに小さなバッテリーゆえに充電時間も11kWの家庭用電源で5時間分、100kWの急速充電では26分と比較的短時間で満充電が可能となる。

インテリアは、ドライバー正面のモニターとダッシュボード中央のタッチスクリーンという現代のスタンダードに則ったデザインだが、アナログスイッチも残されているので視認性と操作性に優れており、大きなハイテクタッチスクリーンを恐れているドライバーにとっては救いだ。

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