フォルクスワーゲン ゴルフ R/ゴルフ R ヴァリアント(Volkswagen Golf R/Golf R Variant)
現行モデル発表日:2022年10月4日
車両価格:639万8000円〜652万5000円

とてつもなくスパイシーで快適

今回の試乗車のように、標準比で1インチ大径な19インチのタイヤ&ホイールと電子制御式の可変減衰力ダンパーがセットとなる「DCCパッケージ」を選択している場合には、路面の凹凸こそシャープに拾うもののストローク感は比較的マイルドで、時にしなやかという表現すら使いたくなる。

標準モードでのフットワークのテイストは、強く引き締まった乗り味へとこちらも一変し、まるでまったく異なった2台のモデルを乗り分けるような楽しみを味わうことができる。

ハッチバックとヴァリアントの2タイプから選択できるRグレードだが、とくに高速クルージングではヴァリアントの方により高い直進性や落ち着いた挙動が得られて、さらに好印象だ。

新型ゴルフヴァリアントは、歴代シリーズ中で初めてハッチバックよりも長いホイールベースを採用した。50mmというその違いや60kg増の重量が、そうした微妙なキャラクターの違いを生み出していたと考えられる。

基本デザインはGTIと同様の2L4気筒ターボエンジンを搭載しながら、ターボブーストが高まった際の加速力はこちらRグレードの方が圧倒的に高いものであったことも確認。端的に表現するとそれは、4WDシャシの持ち主らしくトラクション能力に不足はないものの、むしろそれゆえにフル加速のシーンではハンドルに伝わる反力がスッと抜ける感触すら伝わる、という怒涛の加速感。それは、いかにターボ過給が行われているとは言え、とても2Lという排気量から発生されているとは信じられないほどのものと表現しても過言ではないものだ。

積極的なアクセルオンによって後輪にトルクベクタリング効果が強く働くことで、果敢なドライビングスタイルを取るほどに、アンダーステアとは無縁の感覚が得られるというワインディングロードでの走りのテイストも、「別格のゴルフ」というフレーズがより確固たるものとして感じられた。

日常のシーンではジェントルな振る舞いを示しながら、いざ鞭を入れればとてつもなくスパイシーな走りを披露してくれる。ゴルフのエクステリアをかぶりながらも、まさに異端の存在と言えるのがRバッジを備えたゴルフRの秘めたる本性なのだ。(文:河村康彦)

フォルクスワーゲン ゴルフ R/ゴルフ R ヴァリアント 主要諸元

全長:4295〜4650mm
全幅:1790mm
全高:1460〜1465mm
ホイールベース:2620〜2670mm
車両重量:1540〜1600kg
エンジン:2L直4ターボ
総排気量:1984cc
最高出力:235kW(320ps)/5350-6500rpm
最大トルク:420Nm(42.8kgm)/2100-5350rpm
駆動方式:4WD
トランスミッション:7速DCT
サスペンション形式:前ストラット、後4リンク
タイヤサイズ:225/40R18
乗車定員:5名

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