2023年7月20日から23日にかけて、世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・エストニアがエストニアのタルトゥを中心に開催される。ラリー・エストニアは2020年に初めてWRCとして開催され、2021-2022年とトヨタのカッレ・ロバンペラが2年連続優勝。今年もロバンペラを中心に優勝争いが繰り広げられることになりそうだ。

スピード最優先、スムースな路面で展開されるハイスピードグラベル・ラリー

サファリ・ラリー ケニアから約4週間のインターバルを経て開催される第8戦ラリー・エストニアは、全13戦で行われるシーズンの後半戦最初のラリーに位置づけられ、前半戦の荒れた路面でのラフグラベル(未舗装路)ラリーとは大きく異なる、スムースな路面でのハイスピードグラベル・ラリーとなる。

画像: ラリー・エストニアのグラベル路面。コース設定はラリー・フィンランドと同様高速だが、路面はは全体的にフィンランドよりも軟らかい。

ラリー・エストニアのグラベル路面。コース設定はラリー・フィンランドと同様高速だが、路面はは全体的にフィンランドよりも軟らかい。

2週間後に開催されるラリー・フィンランドも同じくハイスピードなグラベル・ラリーであるため、ドライバーはこれまでのラフグラベルとは異なる、スピード最優先のアプローチでこの北ヨーロッパでの2戦に臨むことになる。

ただし、エストニアとフィンランドではステージのキャラクターが若干異なり、エストニアの路面は全体的にフィンランドよりも砂が多くて軟らかく、また道幅が狭くツイスティなコーナーが続く低速区間も多くあるため、ドライビングとクルマのセッティングの両面で柔軟な対応が求めらる。

【参考】2022年WRC第7戦ラリー・エストニア 結果

1位:K.ロバンペラ(トヨタ GRヤリス ラリー1)2h540m29.0s
2位:E.エバンス(トヨタ GRヤリス ラリー1)+1m00.9s
3位:O.タナック(ヒョンデ i20 N ラリー1))+1m55.7s
4位:T.ヌーヴィル(ヒョンデ i20 N ラリー1))+3m53.3s
5位:勝田貴元(トヨタ GRヤリス ラリー1) +4m13.4s
6位:E.ラッピ(トヨタ GRヤリス ラリー1)+4m49.1s
7位 :A.フルモー (フォード プーマ ラリー1)+5m09.2s
8位 :A.ミケルセン(シュコダ ファビア ラリー2 エボ)+11m01.8s
9位 :T.スニネン(ヒョンデ i20 N ラリー2)+11m27.1s
10位 :E.リンドホルム(シュコダ ファビア ラリー2 エボ)+13m04.8s

ここまではトヨタ優勢でシーズンが進んでいるが、ここからが正念場

2023年シーズンも開幕から激戦が続いているが、トヨタが7戦を終えてここまで5勝を記録。前戦サファリ・ラリー ケニアでは、2年連続となる1-2-3-4フィニッシュを達成し、マニュファクチャラー選手権トップのリードを48ポイントに拡大した。また、カッレ・ロバンペラ(トヨタ)はドライバー選手権で首位の座を堅持し、ランキング2番手のエルフィン・エバンス(トヨタ)に対して41ポイントのリードを築いている。

画像: 美しい風景の中を巡るラリー・エストニア。地理的にフィンランドと近いこともあって、ラリー・フィンランドと共通点が多く見られる。

美しい風景の中を巡るラリー・エストニア。地理的にフィンランドと近いこともあって、ラリー・フィンランドと共通点が多く見られる。

ただし、ここまではトヨタ優勢でシーズンが進んでいるものの、まだ決定的な差とはいえず、後半戦の戦いでまだまだ逆転の可能性を残している。

2023年 WRCドライバーズランキング(第7終了時)

1位 K.ロバンペラ(トヨタ) 140
2位 E.エバンス(トヨタ)99
3位 S.オジェ(トヨタ)98
3位 O.タナック(Mスポーツ フォード)98
5位 T.ヌーヴィル(ヒョンデ)93
6位 E.ラッピ(ヒョンデ)69
・・・・・・
8位 勝田貴元(トヨタ)35

2023年WRCマニュファクチャラーズランキング(第7戦終了時)

1位 トヨタ 285
2位 ヒョンデ 237
3位 Mスポーツ フォード 175

このラリーでの3年連続優勝とシーズン6勝目の獲得を目指すトヨタは、パフォーマンスをさらに向上をさせるためアップグレード版のパワーユニットを投入。前戦サファリ・ラリーで優勝したセバスチャン・オジェが欠場するため、ロバンペラ、エバンス、勝田貴元の3台で参戦する。

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