マセラティは、この新型SUVにもBEVのグレカーレフォルゴーレのラインナップを表明しているが、まずは日本へICEから導入している。(Motor Magazine2023年8月号より)

最高出力530psのトップグレード「トロフェオ」は多彩な顔を持つ

マセラティのSUV、グレカーレの試乗機会を得た。用意されたのは、最高出力300psを発生するGT、330psを発生するモデナ、トップモデルのトロフェオである。ここではとくに好印象だったトロフェオについてレポートしたい。

画像: トロフェオはMC20のネットゥーノで初搭載したマセラティ・ツイン・コンバスチョン技術を応用する。

トロフェオはMC20のネットゥーノで初搭載したマセラティ・ツイン・コンバスチョン技術を応用する。

搭載するのは3L V型6気筒ツインターボエンジンで、最高出力は530ps、最大トルクは620Nmを発生する。ちなみにGTとモデナが積むのは2L直4ターボのマイルドハイブリッドエンジンである。

試乗は、富士スピードウェイホテル周辺の一般道と高速道路である。まずはデフォルトのドライブモード「コンフォート」で走り出す。ここでの振る舞いはとてもジェントル。紳士的な顔を見せる。しかし「スポーツ」モードにし、積極的にギアを選択して走ることで情熱的なV6サウンドが耳に届き、さらに刺激的なハンドリングへと一変する。

このV6エンジンは、ネットゥーノと呼ばれるMC20にも積まれたものでマセラティが独自で開発したものだ。それがトロフェオには積まれているのだから、パフォーマンス、サウンドに満足できる。

0→100km/hは3.8秒の片鱗を味わう

最高速285km/h、0→100km/hは3.8秒と公表(欧州仕様のデータ)されているが、その片鱗を公道でも少しだけ味わうことができた。試乗車のタイヤは21インチを履いていたが、それにより乗り心地が悪くなるようなこともなく履きこなしていた。

画像: リアエンドはジウジアーロが手掛けた3200GTをモチーフとしたブーメラン型テールライトを装備する。

リアエンドはジウジアーロが手掛けた3200GTをモチーフとしたブーメラン型テールライトを装備する。

ただウインカーの作動音には少し不満がある。安っぽい音で1500万円を超えるクルマらしくないと感じた。

その他、GTやモデナにも試乗したが、グレカーレに乗るならやはりトロフェオを選びたいと思った。価格はGTが922万円、モデナが1114万円、トロフェオが1520万円とその差は少し大きいが、グレカーレの場合、装備類が充実しているので、オプションで選ぶ装備が少なく安全装備も十分に満足できるはずである。

そう、車両価格にオプション代をプラスしたらかなり高額になってしまった・・・というようなことがないのである。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:井上雅行)

マセラティ グレカーレ トロフェオ主要諸元

●全長×全幅×全高:4860×1980×1660mm
●ホイールベース:2900mm
●車両重量:2030kg
●エンジン:V6DOHCツインターボ
●総排気量:2992cc
●最高出力:390kW(530ps)/6500rpm
●最大トルク:620Nm/2750rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・64L
●タイヤサイズ:前255/40R21、後295/35R21
●車両価格(税込):1520万円

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