発表日:2022年10月24日
車両価格:597万円
7シーター、ディーゼルと注目点が多い最新作
2010年まで「ジープ コマンダー」という3列シートSUVが販売されていた。全長4795mm×全幅1900mmの堂々したスクエアなボディに、4.7L V8 SOHC、または5.7LV8 HEMIを搭載。ボディサイズもエンジンもいかにも“アメ車”だった。
一方、日本に上陸した“新型”コマンダーは、全長4770mm×全幅1860mmと日本でも使いやすいサイズとなり、エンジンは2L直4ディーゼルターボを搭載。燃費は13.9km/L(WLTCモード)と現代的かつ日本のユーザーにもマッチする7シーターSUVに生まれ変わった。
販売を終えたチェロキーの後継モデルとしての役割も担う重要なモデルでもある新型コマンダー。その走りと使い勝手はどうだろうか。
エンジンはジープとしては初めての採用となる2Lディーゼルターボを搭載。旧PSAとは関係がなく、独自に開発されたものだ。このエンジンは最高出力は170ps、最大トルクの35.7kgmは1750rpmという低回転で発生するため、1870kgもある車体を苦もなく加速させる。今回は市街地を少しと高速道路をメインに試乗したが、いずれのシーンでも過不足はない。
アクセルペダルの操作に対し素直に反応し動きも軽やかで、オンロード志向の都会派SUV寄りの走りだ。ただし、高速道路走行時は(エンジン音ではない)車外からの騒音の侵入が少し気になるシーンもあった。
インテリアのしつらえは不満のないレベルだ。皮革素材をふんだんに使ったトリムやシートの質感も良い。
コマンダーのハイライトである3列目シートへは、2列目シート横のレバーを操作するとシートバックが折りたたまれ、座面ごとタンブルすることでアクセスできる。座ってみると足元はやや狭めだが、頭上空間には十分な余裕がある。これはリアガラスを大きく寝かせていないボディ形状のおかげだろう。
2列目と3列目の背もたれを倒すと、完全ではないが荷室床面はほぼフラットになるので、工夫次第では車中泊にも使えるはずだ。
このサイズの3列シートSUVは日本では“激戦”の人気ジャンルだが、コマンダーは健闘できるか、要注目だ。(文:Motor Magazine編集部 小泉優太)
ジープ コマンダー リミテッド 主要諸元
全長:4770mm
全幅:1860mm
全高:1730mm
ホイールベース:2780mm
車両重量:1870kg
エンジン:直4ディーゼルターボ
総排気量:1956cc
最高出力:125kW(170ps) /3750rpm
最大トルク:350Nm(35.7kgm)/1750-2500rpm
駆動方式:4WD
トランスミッション:9速AT
サスペンション形式:前ストラット 後マルチリンク
タイヤサイズ:235/55R18
乗車定員:7名