2022年1月号でご好評いただいた「モーストファンカー2021」から約1年半が経過。「モーストファンカー2023」はその間に登場したニューモデルから本誌でおなじみの執筆陣と本誌編集長が「運転して楽しいクルマ」を選ぶという企画だ。はたしてもっとも乗って楽しいと乗る者に感じさせたクルマはどれだろうか。(Motor Magazine2023年9月号より)

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今度のシビックタイプRは大人びて好印象:竹岡圭

画像: 今度のシビックタイプRは大人びて好印象:竹岡圭

竹岡:2代前までは、「とにかくカタイ!ハードすぎる!」という感じでしたけど、先代からしなやかさが加わって、最新型モデルは幅の広さが際立つ感じ。グランドツーリング的使い方からサーキット走行まで、これひとつでこなせそうです。デザインは、ガンダムっぽい先代からはずいぶんと雰囲気が変わり、インテリアもどことなく懐かしい感じにまとめられていて、「オトナウケ」しそうな点も良いなぁと思えるポイントです。

大谷達也:ハンドリングにも官能性というものがあることに初めて気づかせてくれた。といっても、ステアリングレスポンスが危険なほどシャープという意味ではない。リニアリティの高いハンドリングをどこまでも精度よく実現している点に感動するはず。必要な情報を的確に伝えるステアリングフィールも秀逸。文字どおり「吸い込まれるようなシフト感覚」は、どんな高額な輸入車でも決して味わえない魅力的な世界である。これを500万円弱で提供するホンダには心から拍手を贈りたい。

画像: レッドゾーンが7000rpmからのK12型エンジンの爽快感と6速MTの完璧なシフトフィールが好評だった。

レッドゾーンが7000rpmからのK12型エンジンの爽快感と6速MTの完璧なシフトフィールが好評だった。

あらゆるシーンで怒涛のパワーとハンドリングを楽しめる:岡本幸一郎

画像: あらゆるシーンで怒涛のパワーとハンドリングを楽しめる:岡本幸一郎

岡本幸一郎:進化したVTECターボエンジンはまるで全回転域がパワーバンドのようで、力強いパワーがどの速度域でもついてくる。330psのパワーを前輪のみで路面に伝えられるよう、デュアルアクシスストラットと呼ぶ特殊なサスペンションを用いたことも効いていて、普通のクルマとは異質のしっかりと路面を捉える感覚がハンドルを通して伝わってくる。

渡辺敏史:オッサン世代はことのほか、キレッキレの走りをホンダには求めてしまうところがありまして、現在のラインナップは目を覆うところがあるわけですが、そんな期待値に対して孤軍奮闘しているのがシビックタイプRです。走りそのものは前のFK型も激烈なポテンシャルがありましたから、そのリファイン版とも言えるFL型に不満などありません。そのうえで、柔軟性や精緻さといった日常域でも伝わる「いいもの感」が底上げされたのが加点要素です。そして、乗ってもいいかと思える意匠も、個人的には大事なポイントです。

佐藤久実:私のFFスポーツのリファレンスは何十年にわたり、ルノー メガーヌのスポーツモデルだが、最新のシビック タイプRは、それに並ぶ、もしくは追い越したと言っても過言ではない完成度だと思う。そして、「正常進化」とはこういうことなんだと体現している。スペックは先代とそれほど大きな違いを感じないのに、サーキットでの速さは圧倒的に異なる。スペック表にはあらわれない、空力や冷却など、目に見えない細かい部分まで徹底的に作り込んだ、ホンダ渾身のFFスポーツだ。

画像: 3本出しのエキゾーストパイプには官能的な排気音を奏でるギミック付きだ。

3本出しのエキゾーストパイプには官能的な排気音を奏でるギミック付きだ。

ホンダ シビック タイプR主要諸元

●全長×全幅×全高:4595×1890×1405mm
●ホイールベース:2735mm
●車両重量:1340kg
●エンジン:直4DOHCターボ
●総排気量:1995cc
●最高出力:243kW(330ps)/6500rpm
●最大トルク:420Nm/2600-4000rpm
●トランスミッション:6速MT
●駆動方式:FF FR 4WD MR RR
●WLTCモード燃費:12.5km/L
●タイヤサイズ:265/30RR19
●車両価格(税込):499万7300円

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