292号線で標高2172mの日本の国道最高地点を目指す
万座ハイウェイに入るとハンドル操作が楽しい。やがて硫黄の匂いが漂いはじめると万座温泉も近い。硫黄成分含有量日本一の乳白色の温泉に浸かりたい気持ちを抑え、湯けむりあがる湯畑を横目に、冬期は通行止めになる国道292号志賀草津高原ルートで志賀を目指す。
道中の標高2172m地点は日本の国道最高地点だ。天気が良ければ草津白根山や草津の温泉街まで見渡せる眺望が広がっているらしいが、当日は霧であたりは真っ白。残念ながら石碑を認識するのが「目」一杯だった。
そんな状況下、真っ赤なリアフォグランプを点けたクロストレックの後ろ姿に頼もしさを抱き、キュンとしたことも付け加えておく。
やがて徐々に霧も晴れ、いよいよ志賀高原エリアに入ると、そこにはまるでスイスかオーストリアかという風景が広がる。そこかしこに現われるスキー場の看板を眺めながらクロストレックとのウインタードライブを想像して顔のほころびが止まらない。
3日目は湯田中から小布施に向かった。沿道にはリンゴやブドウなどの果樹園も広がっている。信州の恵み豊かな風景もまたいい。小布施と言えば栗の産地。栗のスイーツ巡りも楽しいだろう。道の駅で買った野菜や果物をラゲッジルームに積み込んで帰れるのもこうしたドライブの魅力である。
クロストレックの荷室の下部にはさり気なく山柄の模様が採り入れられている。そんな遊び心に親近感を抱くのは私だけかしら。
復路は上信越道から関越道を通り、東京まで約260kmを移動した。実はあまり疲れていなかったけれど、アイサイトのツーリングアシストに頼ってみた。クロストレックは予防安全技術では広角の単眼カメラを初採用したほか、機能や性能もさらに進化した最新のアイサイトが搭載されている。加減速も車線内のセンターリングもますます洗練されている。
また、さり気ないけど前後席に装備されたUSB電源は挿入部の輪郭を縁取るようにライトが点灯し、暗いところでも視認しやすい。実はこういう細かい配慮が、予防安全に繋がる直観操作にこだわるスバルらしい。ちなみに室内の使い勝手の良さは私のまわりに多いトリセツを読むのが苦手な女性にとっても優しい。
さて、駆動方式の異なる2モデルは、クロストレックという実用性も兼ね備えたSUVながら、どちらもスバルらしいハンドリングを持ち合わせていた。
2022年12月からの7カ月の販売比率は約7割がAWDらしいけれど、この記事を読んでピンときたら、FWDというモデルも選択肢に入れる価値はあると思う。(文:飯田裕子/写真:永元秀和)
【コラム】3つのカメラの第4世代アイサイト
進化を続けるスバルの運転支援システムのアイサイト。カメラのカラー化や広範囲で遠くまで認識するステレオカメラに加え、超広角の単眼カメラでより広く周囲の物体を認識する。クロストレックには最新のシステムを搭載し、最高の安全性能を実現している。さらにアイサイト・ツーリングアシスト機能は高速道路などでアクセル、ブレーキ、ハンドル操作をアシストしてくれ、クルーズコントロールはアクセル、ブレーキ操作をしなくても一定速度での走行や先行車に追従走行を行い、今回のようなロングドライブでもドライバーの負担を軽減してくれる頼もしい機能となっている。
スバル クロストレック リミテッドAWD主要諸元
●全長×全幅×全高:4480×1800×1575mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1610kg
●エンジン:対4DOHC+モーター
●総排気量:1995cc
●最高出力:107kW(145ps)/6000rpm
●最大トルク:1880Nm/4000rpm
●モーター最高出力:10kW(13.6ps)
●モーター最大トルク:66Nm
●トランスミッション:CVT(リニアトロニック)
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:レギュラー・48L
●WLTCモード燃費:15.8km/L
●タイヤサイズ:225/55R18
●車両価格(税込):328万9000円
スバル クロストレック ツーリングFWD主要諸元
●全長×全幅×全高:4480×1800×1575mm
●ホイールベース:2670mm
●車両重量:1540kg
●エンジン:対4DOHC+モーター
●総排気量:1995cc
●最高出力:107kW(145ps)/6000rpm
●最大トルク:1880Nm/4000rpm
●モーター最高出力:10kW(13.6ps)
●モーター最大トルク:66Nm
●トランスミッション:CVT(リニアトロニック)
●駆動方式:FWD
●燃料・タンク容量:レギュラー・48L
●WLTCモード燃費:16.4km/L
●タイヤサイズ:225/60R17
●車両価格(税込):266万2000円