「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、MINI ロードスターだ。

よりスポーティなオープンエア モータリングが楽しめる

画像: レザーシートは標準装備。シート後ろにはカバンや上着を置けるスペースがあり、トランクスルーもできる。

レザーシートは標準装備。シート後ろにはカバンや上着を置けるスペースがあり、トランクスルーもできる。

ルーフはキャンバスのソフトトップ。小さくても本物志向を目指して電動開閉式を採用したコンバーチブルに対し、軽量化を考えての手動式が採用されている。しかしこのルーフ、しっかりしている分だけ意外と重く、女性の力では運転席に座ったまま開閉するのは難しい。だがシステムは単純なため、操作方法はいたって簡単だ。だからこそルーフを開けて走った時間をカウントするなんていう楽しい?装備のオープンタイマーが備えられているのだろう。

実際、走ってみれば開放感は満点。最近は空力を考慮して、屋根を開けてもあまり開放感がないオープンカーが多いのだが、Aピラーが13度寝かされているもののフロントウインドー長が短めなため、空を大きく感じられる。しかし、デザインを壊さない程度に小ぶりなウインドディフレクターが、小さい割りに効き目が高く、風の巻き込みはほぼないので、楽にオープンエア モータリングを味わえる。

ルーフを開けているとダイレクトに聞こえてくるエンジン音は、奏でられたサウンドというにはほど遠いが、なんとなく元気をもらえるから不思議。それは、走りっぷりの良さのおかげだろう。ボディはクーペとほぼ変わらないと言ってもいいくらい剛性感が高く、MINI 2番目の走り系モデルと言い切ってもいいだろう。乗り心地的には、ガツガツした初代ハッチバック(R50型)としなやかさが加わった2代目(R56型)の中間点といった感じなので、普段使いにも十分対応してくれるだろう。

画像: クローズドのスタイルも可愛い。リアウインドーは熱線入りガラスだが、斜め後ろの視界はあまり良くない。

クローズドのスタイルも可愛い。リアウインドーは熱線入りガラスだが、斜め後ろの視界はあまり良くない。

MINI クーパー ロードスター 主要諸元

●全長×全幅×全高:3740×1685×1385mm
●ホイールベース:2465mm
●車両重量:1200kg
●エンジン:直4 DOHC
●総排気量:1598cc
●最高出力:90kW(122ps)/6000rpm
●最大トルク:160Nm(16.3kgm)/4250rpm
●トランスミッション:6速AT
●駆動方式:横置きFF
●燃料・タンク容量:プレミアム・40L
●JC08モード燃費:15.4km/L
●タイヤサイズ:195/55R16
●当時の車両価格(税込):347万円

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