静粛性や加減速性能だけでなく低重心や精密な制御が生み出す優れたトラクション性能も、BEVの特徴。後輪駆動車の面白さを味わった。(Motor Magazine2023年9月号より)

走行して驚いたのは、前輪の豊かな接地感

試乗車はID.4プロ ローンチエディションで、車検証での車重は2140kg。前軸重が1010kg、後軸重が1130kg、前後重量配分は約47:53となる。駆動用モーターはリアアクスル前方に配置されているので、絶妙な重量配分のミッドシップ後輪駆動レイアウトと言える。走行して驚いたのは、前輪の接地性がとても高いこと。

画像2: ID.4のリアアンダーパネルを外して後方から見た状態。駆動用モーターはリアアクスルより前方に配置。

ID.4のリアアンダーパネルを外して後方から見た状態。駆動用モーターはリアアクスルより前方に配置。

ハンドリングコースの走行ではハンドルを切れば切っただけグイグイと曲がってくれる。後輪も路面を確実に捉えて安心感が高い。減速時などでもボディの姿勢変化が少なく、フラットライド感が大きな特徴だ。

散水路の走行では、操舵しながら右足を踏み込むと簡単にオーバーステアの状態になるが、カウンターステアをあてての姿勢制御が容易。大仰なアンダーステアが出ないことに驚かされた。滑りやすい登坂路での発進制御も巧みで、その優れた走行性能には感心至極であった。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁/写真:伊藤嘉啓)

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