静粛性や加減速性能だけでなく低重心や精密な制御が生み出す優れたトラクション性能も、BEVの特徴。後輪駆動車の面白さを味わった。(Motor Magazine2023年9月号より)
滑りやすい路面の旋回路&登坂路、直線路で挙動安定性を確認
フォルクスワーゲンの日本導入BEVとして第二弾のモデルとなるID.4。2022年11月に発表され、まず導入記念特別仕様車「ローンチエディション」の受注&デリバリーが行われたが、現在ではその在庫がほぼ完売した状態となっており、そろそろ標準仕様の2023年モデルがデリバリー開始となるスケジュールだという。
ID.4には、駆動用リチウムイオンバッテリー容量52kWhと125kW(170ps)/31 0Nm仕様のモーターを組み合わせた「ライト」、そして77kWhと150kW(204ps) /310Nmという“プロ”の2グレードがある。どちらもリアモーター1基のRWDモデルで4WD仕様の設定はない。
2017年に日本導入BEV第一弾モデルとして登場したeゴルフ(ゴルフ7ベース)とは異なり、BEV専用アーキテクチャー 「MEB」採用により重量物のバッテリーは前後アクスル間のアンダーフロアに収められる。これによって低重心とロングホイールベース、前後ショートオーバーハングという一大特徴が実現されている。
さて、今回はそうしたID.4が備える優れたハンドリングや高いトラクション性能を体感するべく、自動車系駆動部品メーカー「GKNドライブラインジャパン」のプルービンググラウンドで開催された体験会に参加してきた。いわゆるハンドリングコースでの走行、そして散水されて圧雪路と同等という滑りやすい路面が実現された旋回路&登坂路、直線路で、ID.4の挙動をたっぷり味わうことができた。