新世代のマセラティは内燃機とBEVの二本立て
このうちエンジン仕様はMC20と同じ副燃焼室方式を採用したネットゥーノV6を搭載。パフォーマンスや装備品の違いでフラッグシップのトロフェオ、そしてエントリーグレードにあたるモデナの2モデルとなる。
一方、BEV仕様のフォルゴーレはフロントに2基、リアに1基という計3基のモーターを搭載。駆動力を用いたトルクベクタリング機能を備えている。
私はひと足先にイタリアでトロフェオとフォルゴーレに試乗したが、2台ともとにかくボディ剛性が高いためハンドリングは正確。乗り心地も決して悪くない。もちろん、2台揃ってパワートレーンにはなんの不満も抱かなかったので、日本上陸が楽しみだ。
グラントゥーリズモに続く形で23年にデビューしたのがマセラティGT2と呼ばれるレーシングカー。外観はMC20とよく似ているが、パワートレーンやシャシはレース用に刷新された模様。マセラティGT22は、まず23年シーズンのファナテックGTシリーズ終盤戦にデビュー。翌24年からは同シリーズやスパ24時間などを含む各国のGTシリーズなどに参戦する計画である。
さらにマセラティは今年度中にグラントゥーリズモの派生モデルというべきグランカブリオも発表する予定というから楽しみだ。
そして彼らは25年までにMC20のフォルゴーレ版、新型のクアトロポルテ、次期型のレヴァンテなどを投入予定。この25年をもって、次世代への更新を完了する。
なお、ギブリは遠からず生産を終了するので、マセラティのラインナップはMC20、グラントゥーリズモ、グランカブリオ、クアトロポルテ、レヴァンテ、グレカーレの計6台体制となる見通しだ。(文:大谷達也/写真:マセラティS.p.A.)
マセラティ グラントゥーリズモ トロフェオ主要諸元
●全長×全幅×全高:4966×1957×1353mm
●ホイールベース:2929mm
●車両重量:1795kg
●エンジン:V6DOHCツインターボ
●総排気量:2992cc
●最高出力:404kW(550ps)/6500rpm
●最大トルク:650Nm/3000rpm
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:FR
●タイヤサイズ:前265/30ZR20、後295/30ZR21