近ごろ新型車が続々と登場するフェラーリ。ル・マン24時間レースでは総合優勝を果たすなど勢いを感じずにはいられない。そんなフェラーリが今度は、究極のロードカーを世に送り出した。発表されたイタリアへ赴き、実車を確認することができた。(Motor Magazine2023年9月号より)

特徴はF50以来となる固定式リアウイングの装着

その後ベールを脱いだSF90XXは、19年に発表されたSFストラダーレをベースとする限定モデルで、クーペ版のストラダーレが799台、コンバーチブル版のスパイダーは599台が限定生産される。ちなみに、クーペとスパイダーが同時に発表されるのも、フェラーリにとっては極めて異例なことだ。

画像: フェラーリ SF90 XX スパイダー(2023年6月29日発表 )。SF90XXストラダーレの発表と同時に、オープンモデルのスパイダーも公開された。リトラクタブルハードトップの採用によって、45km/hまでは走行中でも開閉可能で、開閉に要する時間はわずか14秒だ。パワートレーンはSF90XXストラダーレと共通で、0→100km/h加速は2.3秒、最高速度は320km/hを誇る。生産台数は599台となる。

フェラーリ SF90 XX スパイダー(2023年6月29日発表 )。SF90XXストラダーレの発表と同時に、オープンモデルのスパイダーも公開された。リトラクタブルハードトップの採用によって、45km/hまでは走行中でも開閉可能で、開閉に要する時間はわずか14秒だ。パワートレーンはSF90XXストラダーレと共通で、0→100km/h加速は2.3秒、最高速度は320km/hを誇る。生産台数は599台となる。

最新のレーシングカーがそうであるように、SF90XXにも最新のエアロダイナミクスがふんだんに盛り込まれている。なかでも特徴的なのが固定式リアウイング。ちなみに、フェラーリのロードゴーイングカーに固定式リアウイングが装着されるのは1995年に発表されたF50以来というから、いかに特別なことかがわかる。

さらにこのリアウイングと連携して最適なダウンフォースを生み出す可変式空力デバイスのシャットオフガーニーを採用したほか、リアの強力なダウンフォースとバランスをとる目的でフロントにはSダクトを装備。

フロントスポイラー内のエアインテークから取り込んだ空気流をボンネット上に設けたアウトレットから排出することにより、可変式でないにもかかわらず常に最適なダウンフォースを生み出すという。

また、パワートレーンはエンジンの熟成とハイブリッドシステムの進化によって従来の30ps増にあたる1030psのシステム出力を達成。そしてサスペンションは、パフォーマンスの向上に対応しながら快適性にも配慮したセッティングに仕上げられたようだ。

SF90XXは、公道走行可能なモデルゆえにXXプログラムには参加できないものの、その傑出したパフォーマンスが好評を博し、1億円を軽く上回る価格にもかかわらず合計1398台は発表の段階ですでに完売しているという。(文:大谷達也/写真:フェラーリジャパン)

フェラーリ SF90 XXストラダーレ主要諸元

●全長×全幅×全高:4850×2014×1225mm
●ホイールベース:2650mm
●車両重量:1560kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ+モーター×3
●総排気量:3990cc
●最高出力:797ps/7900rpm
●最大トルク:804Nm/6250rpm
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:4WD

フェラーリ SF90 XX スパイダー主要諸元

●全長×全幅×全高:4850×2014×1225mm
●ホイールベース:2650mm
●車両重量:1660kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ+モーター×3
●総排気量:3990cc
●最高出力:797ps/7900rpm
●最大トルク:804Nm/6250rpm
●トランスミッション:8速DCT
●駆動方式:4WD

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