近ごろ新型車が続々と登場するフェラーリ。ル・マン24時間レースでは総合優勝を果たすなど勢いを感じずにはいられない。そんなフェラーリが今度は、究極のロードカーを世に送り出した。発表されたイタリアへ赴き、実車を確認することができた。(Motor Magazine2023年9月号より)
サーキット専用車のXXモデルは走る実験室
発表会場として案内されたのは、フィオラノ・サーキットに隣接するアッティヴァ・スポルティヴGT部門の建屋。そのエントランスには、599GTOとF12TDFという2台の限定モデル、そして599XXとFXX K EVOという2台のXXモデルが置かれていた。
ちなみにXXモデルはサーキット専用車で、XXプログラムと呼ばれるイベントでオーナーが走行した際のデータを収集。これを新型車の開発に役立てるという、いわば「走る実験室」を地で行くプログラムのために作られた特別なモデルである。
「下のフロアに2種類のクルマを展示しておきました」マーケティング/セールス担当役員のエンリコ・ガリエラが語り始めた。
「なぜ限定モデルとXXモデルを並べたかといえば、これからご披露するクルマのコンセプトを、それらがよく表現しているからです」
続いてガリエラはこう言い放った。
「これは私たちにとってまったく新しいコンセプトです。つまり、史上最高の限定モデルに、XXモデルの際立ったパフォーマンスを盛り込むことにより、レーシングカーに匹敵する性能を備えたモデルが誕生したのです」