0→100km/h加速を3.6秒でこなしきる
「私たちは世界でもっとも望ましいウルトララグジュアリーな英国のパフォーマンスブランドを創造するという簡潔で大胆な目標を持っています」と、プロダクト&マーケット戦略責任者アレックス・ロング氏は試乗前のプレゼンで語った。
その意味が試乗を終えたあとに理解できた。つまり進化したこのモデルの真価は、パフォーマンスの昇華にあるのだ。
DB12のボンネットフードにはイギリスの有名グラフィックデザイナー、ピーター・サヴィル氏が手がけた新しいブランドバッジがつけられていた。また開口面積が広がったDBグリルは、より大きなパワーを得るために高い冷却効率が求められた結果だという。
高性能ぶりを想起させる迫力と美しさ、すなわちスポーツとエレガントをデザインするセンスもウルトラ級なのである。
DB12の全領域で性能を向上させたという4L V8ツインターボエンジンは、先代にあたるDB11の535ps/675Nm に対し、680ps/800Nm に引き上げられ、0→100km/h加速は約0.5秒短縮した3.6秒を実現した。
そして後輪から圧倒的な加速力を発生するが、ドライバーのアクセルペダルの踏み方次第で情熱的にも穏やかにも自在に扱える。8速ATの変速スピードは上がったが、DCTとは異なり、滑らかだ。
またボディはアルミ製で、剛性はDB11比で7%強化。新採用の「eデフ」は完全なオープンからロックまでミリ秒単位という極めて短時間で切り替わる。サスペンションはDB11より500%も可変率を拡大し、タイヤはミシュランが専用開発した「パイロットスポーツ5S」を履く。
アグレッシブな性能の向上はドライブモードからも見て取れる。ダンパー設定には新たにウエットモードが加わり、低ミュー路走行に集中できたことで、他のモード選択におけるドライ路面の性能をさらに向上。このほかにも、DB12の進化を列挙したらキリがない。