エポックメイキングなモデルを紹介する特別展を実施
まずは訪れたのはソウルの拠点。ここでは、「ポニーの時間」という特別展示を開催。これはヒョンデのブランド戦略チームの企画だという。
ポニーは、ヒョンデが1975年に初めて独自開発した乗用車で、デザインをイタリアのデザイナー、ジウジアローに依頼。展示内容は、そのヒョンデブランドのエポックメイキングカーの歴史を詳しく知ることができるものだった。
スタジオには、初代のほかに2世代目ポニー、クーペ、ピックアップトラック、ワゴンも並べられ、開発当時の手書きの設計図や詳細な資料も展示され、ポニーがどのように作られ、そしてどのように韓国で大ヒットを飛ばしたかなどがわかる充実した内容だった。ポニーは韓国の人にとってはまさしく国民車、日本で言えば、カローラやサニーといったところ。
ヒョンデのクルマづくり、安全、サスティナビリティを体験
ヒョンデモータースタジオコヤンは、ソウル、モスクワ、コエックス、カンナムに続き5番目に開設したブランドエクスペリエンスセンターで、ヒョンデブランドのすべてがわかる施設だ。
ここは1万7000平方メートルという広大な敷地に地上9階、地下5階の建物があり、その中にはクルマの展示以外にも体験型コンテンツ、試乗コーナー、イベントスペース、レストラン、カフェなどに加え、クルマが作られる過程などを見学できる特別展示スペースもある。
さらに安全に対するフィロソフィや未来のクルマ、サスティナビリティなどヒョンデの過去と現在と未来がよく理解できる施設である。
また地下駐車場に、最新モデルの試乗コーナーのほかに急速、普通充電ともに最新の充電設備を有しているのも特徴。充電は、スマホのアプリで車両情報を登録、あらかじめ登録したクレジットカードから支払われる。充電料金はクラブ会員340ウォン/kW 、一般(非会員)560ウォン/kW(1ウォン=0.11円)。
とくに興味深かったのは、非接触充電装備(ジェネシス用)である。駐車枠に設置されたパネル上にBEVを駐めるとケーブルを繋がなくても充電できるというもの。これを見ると非接触充電の世界はすぐそこまで来ているようだ。
今回は、ヒョンデブランドの理解が深まった取材になった。日本でもこうしたブランド体験施設ができることを期待したい。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充/写真:ヒョンデ モビリティ ジャパン)