タイヤギャンブルも空振り、レッドブル惨敗で連勝ストップ
開幕から続いていたレッドブルの連勝がついに止まった。
大不振の予選からの奇跡の挽回を信じて、ハードタイヤでのスタートを選んだ2台のレッドブルだったが、まだ誰もタイヤ交換を済ませていない20周目にセーフティカーが出て、その戦略も水の泡となった。
マックス・フェルスタッペン、セルジオ・ペレスともにステイアウトして一時的に順位は上がったものの、再スタート直後に2台揃って、タイヤ交換を済ませた後続に次々にかわされて万事休す。タイヤ交換後に追い上げてフェルスタッペン5位、ペレス8位まで挽回するのが精一杯だった。
巧みな戦略でメルセデスを封印、サインツJが殊勲の勝利
レッドブル不在の優勝争いはフェラーリの2台、メルセデスの2台、そしてマクラーレンのノリスの計5台で争う展開になったが、オーバーテイクが難しいストリートコースでの戦いで、スタートから優位に立ったのはポールポジションからスタートしたサインツだった。
タイヤのデグラデーションが大きいフェラーリの弱点をカバーするために、あえて抜かれない程度にペースを落として2番手のラッセル以下をコントロール。トップ5台がハードタイヤで走行していたレース後半に出たバーチャルセーフティカーのタイミングで、状況打開のためにメルセデス2台が2回目のタイヤ交換を行なってミディアムタイヤで猛追する。この局面で、サインツは2番手に上がったノリスをわざとDRS圏内に近づけて、メルセデス2台をブロックさせるなどの戦略的走りを披露。最終ラップに焦ったラッセルのクラッシュも出て勝負は決まった。
今季レッドブルのふたり以外での初ウィナーとなったサインツは、「ついに状況をひっくり返すことができた。フェラーリを誇りに思うよ。タイヤのことがあったからわざとペースを落としたりしたけど、うまくコントロールできた」と会心の表情だった。
次戦第17戦日本GPは休む間もなく9月22日に三重県の鈴鹿サーキットで開幕、決勝レースは9月24日に開催される。(文:新村いつき)
2023年F1第16戦シンガポールGP決勝 結果
1位 55 C.サインツ(フェラーリ) 62周
2位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+0.812s
3位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+1.269s
4位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+21.177s
5位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT) +21.441s
6位 10 P.ガスリー(アルピーヌ・ルノー)+38.441s
7位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+41.479s
8位 11 S.ペレス(レッドブル・ホンダRBPT)+54.534s
9位 40 L.ローソン(アルファタウリ・ホンダRBPT)+1周
10位 20 K.マグヌッセン(ハース・フェラーリ) +1周
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リタイア 22 角田裕毅(アルファタウリ・ホンダRBPT)
ファステストラップ 44 L.ハミルトン(メルセデス)
2023年F1ドライバーズランキング(第16戦終了時)
1位 M.フェルスタッペン(レッドブル)374
2位 S.ペレス(レッドブル)223
3位 L.ハミルトン(メルセデス)180
4位 F.アロンソ(アストンマーティン)170
5位 C.サインツ(フェラーリ)142
6位 C.ルクレール(フェラーリ)123
7位 G.ラッセル(メルセデス)109
2023年F1コンストラクターズランキング(第16戦終了時)
1位 レッドブル 597
2位 メルセデス 289
3位 フェラーリ 265
4位 アストンマーティン 217