歴史と伝統のある街、島根県松江市。宍道湖、中海に育まれた「水の都」であるとともに、国宝松江城を中心に城下町の風情が漂う国際文化観光都市だ。だからこそ、環境への動きは積極的である。観光もカーボンニュートラル化を目指す松江市のリーダー、上定市長に、松江の脱炭素にホンダがどのようにかかわってくるのか話を伺った。(インタビュアーは千葉知充/Motor Magazine 2023年11月号より)

電動化だけじゃない。今後はデジタル分野でもタッグか

──MPPeという持ち運べるバッテリーパックのほかに、ホンダには蓄電機や発電機といった製品もあります。さらに最近では、電気自動車から災害時に電力を供給するような動きをする自治体もありますが、そうしたことも含めてホンダとの関わりで期待することはどのようなことでしょうか。

上定市長 本田宗一郎さんは「水上を走るもの水を汚すべからず」とおっしゃっていましたが、松江は「水の都」であり、その言葉を大切にして環境負荷の低減に取り組んでいます。

目指すのはSDGs、デジタル化などを使いサスティナビリティを実現すること。私たちには、古くて良いものを次の世代に受け継いでいくという責務があります。そこにホンダさんとがっちりタッグを組ませていただければと思います。

また松江市は、全国で唯一、県庁所在地に原子力発電所があり、エネルギー問題に対する意識が高く、再生可能エネルギーに積極的に取り組んでいます。電気自動車の活用、蓄電機や発電機技術などもホンダさんとご一緒できることを期待しています。

「日本が誇る『環境主都まつえ』」というスローガンの下、環境面で日本のトップランナーでありたいと考えています。脱炭素先行地域選定を機にその取り組みをさらに進めようとしていたところ、ホンダさんのMPPeや電動推進機のことを知り、ぜひご一緒したいと「ラブコール」を送らせていただきました(笑)。今では、ワイガヤ(※)でホンダさんと松江市の職員が、意見交換するなど貴重な経験をさせていただいてます。

画像: 堀川遊覧船に小型船舶用の4kW電動推進機プロトタイプと、MPPe(バッテリーボックスに内蔵)を搭載。

堀川遊覧船に小型船舶用の4kW電動推進機プロトタイプと、MPPe(バッテリーボックスに内蔵)を搭載。

松江は、少子高齢化が進んでいますが、それを逆手にとって「課題先進市」と謳っています。

課題を解決すれば一転して「解決先進市」になりうるのです。これは日本のみならずアジアや欧州も少子高齢化など共通の課題を抱えていますが、その先頭に立っているのが島根県や松江市なのです。もし松江でそれが解決できれば、ほかの地域社会のロールモデルになります。深刻な課題を抱えているからこそ、その解決にやりがいを感じています。

ちなみにモビリティ関連では、2023年の4月からAIデマンドバス「まつえのるーと」を運行していますが、お隣の鳥取県境港市にも乗り入れていて、県をまたいでAIデマンドバスの運行は日本初です。また中心市街地での「ラストワンマイル」の取り組みも検討中で、ホンダさんの力をお借りしたいです。

※ワイガヤ=年齢や職位にとらわれずワイワイガヤガヤと腹を割って議論するホンダ独自の文化のこと。

画像: しまねっこは島根県の観光キャラクター。松江は、京都、奈良と並び国際文化観光都市に認定される。

しまねっこは島根県の観光キャラクター。松江は、京都、奈良と並び国際文化観光都市に認定される。

── 「夢を実現できるまち 誇れるまち 松江」を掲げていますが、それに堀川遊覧船やホンダの電動推進機によってどのような松江市になることを期待しますか。

上定市長 ホンダさんのことは「Power of MATSUE DREAMS」と言っています(笑)。

若い世代のみなさんには自らの夢を実現すべく、海外にも関心をもってもらい積極的に行動して欲しいです。外から見ると松江の良さがより一層実感できます。私がまさにそうでした。そしてホンダさんの心強い協力を得て、松江をみんなの夢が叶えられる先進的なチャレンジのできる場所にしていきたいですね。

── 今日はお忙しいところありがとうございました。今後も松江とホンダに注目しています。

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