NEXO中日本では「i-MOVEMENT(アイ ムーブメント)ショーケース見学会」として、メディアに向けて次世代技術の導入により変革された高速道路保全業務のプロセスを幅広く紹介している。その技術内容は多岐にわたるが、ここではWebモーターマガジンの読者諸氏にも興味深い「はたらくクルマ」にフォーカスして紹介していこう。

AI画像処理を搭載した維持管理車両

画像: AI画像処理を搭載した維持管理車両といっても、見た目は普通の維持管理車両と変わらない。

AI画像処理を搭載した維持管理車両といっても、見た目は普通の維持管理車両と変わらない。

「維持管理車両」と聞いてもピンとこないかもしれないが、高速道路を走っているとよく見かける、あの黄色い車両(ランドクルーザープラドが多い)だ。現状の日常点検(本線内点検)は、点検員が路線毎に定めた頻度で本線上を走行し、車上目視や車上感覚で路面変状などの点検を行っている。

今回、公開された車両は、全方向への高画質カメラ、振動検知センサー、音声収集センサー、路面状態検知センサーを搭載し、収集した各種センシング情報を基に教師データを蓄積し各種解析を行うことで、路面状況などを検出することができるもの。

たとえば、走行中の高画質カメラの映像から、画像処理技術および事前に教師データを学習済みの変状検出AIを用いて、ポットホール(路面上のくぼみ)の検出をリアルタイムで行い、その情報は即座に道路管制センターに連携される。そして、高精度のGNSS(全地球航法衛星システム)による位置情報で正確な測位と、危険箇所などの運転に必要なガイダンスを提供する。

このシステムは現在開発中だが、実用化されれば専門点検員がいなくても車両から取得する走行映像やセンシング情報に代替することができ、路面変状などの早期発見や早期補修による安全性向上や生産性向上が図れるという。

画像: 展示車両は内部を見せるためにリアハッチウインドーを開けているが、実際の点検では閉めた状態で行う。

展示車両は内部を見せるためにリアハッチウインドーを開けているが、実際の点検では閉めた状態で行う。

NEXCO中日本では、ほかにも高度化されたさまざまな保全点検車両が日夜稼働している。また、車両だけでなく、最先端のICT(インフォメーション & コミュニケーション テクノロジー)技術やロボティクス技術を導入し、道路環境の激変に対応しつつ、高速道路モビリティの進化に貢献する。そんな革新的なプロジェクトが、「i ムーブメント」なのだ。(文と写真:篠原 政明)

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