「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」
「21世紀に間に合いました。」のキャッチコピーとともに、1997年に登場した世界初の量産ハイブリッド自動車、トヨタ プリウス。以来、フルモデルチェンジのたびに進化を続け、2022年11月に5代目となる新型がデビューした。
プリウスのアイデンティティである、トライアングル シルエットで5ドア セダンのボディスタイルは継承された。だが先代よりも長く、広く、そして低いボディスタイルはレクサス LCに匹敵するほど傾斜角の強いフロントウインドーも与えられた。そのシルエットは、まさに新型プリウスのセリングポイントのひとつである「一目惚れするデザイン」そのもの。
今回、この原稿を書くにあたって新型プリウスにあらためて試乗したのだが、もうひとつのセリングポイントである「虜にさせる走り」も堪能できた。ハイブリッド システムはフルモデルチェンジのたびに進化し、モーター駆動で走る領域は広がり、エンジン駆動に変わってもショックは皆無で音も静か。
運転支援システムのトヨタセーフティセンスは的確に運転をアシストしてくれる。低いシルエットはカッコだけでなく、意外と室内は広い。街中での使用を考えれば十分以上のサイズだ。ステアリングホイールの上から見るタイプのメーターも思ったより見やすく、インターフェースも扱いやすい。
しかも、高速道路と市街地をほぼ半々、約430km走って平均燃費計は26.4km/Lを記録した。もちろんエコランなどはせず、普通に走りを楽しんでの数値だ。「一目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を兼ね備えた新型プリウス、人気を集めるのは無理もないなと思わずにはいられなかった。
一部の販売店では受注を停止していたが・・・
新型プリウスが発売を開始してから2023年9月末までの累計となるが、販売台数はHEV(2023年1月10日発売)が6万7470台、PHEV(同年3月15日発売)が6330台(データはトヨタ本社調べ、以下同じ)。月販基準台数はHEVが4300台、PHEVが450台なのに対し、おおよその月平均でHEVは約7500台、PHEVは約970台も販売されているから、その人気が分かろうというもの。
一部の販売店では、2023年夏ごろから受注を停止しており、店頭にはクルマはおろかカタログも置いていなかったほど。トヨタ本社では、あらかじめオーダー可能数を販売店に知らせており、その範囲で各社ごとのペースで販売活動をしてもらっているそうだ。最近ようやく受注が再開され、受注台数に応じて追加のオーダーワクが割り振られているという。
なお納車時期に関しては、トヨタのホームページを見ると「Uグレードは1.5〜2カ月程度、その他のグレードは販売店にお問い合わせください」となっている。ちなみに、某販売店に尋ねたところ「2年くらい」と言われたが・・・。
人気のグレードと比率は、HEVでは
1)Z(約6割)
2)G(約2割)
3)U(約1割)
と、グレードの高い順となった。ちなみに、ZとGは2.0L、Uは1.8LエンジンのHEVとなる。PHEVはZのみのモノグレードだ。駆動方式では、HEVは2WD(FF)と4WD(E-Four)が約8:2の割合。PHEVは2WDのみの設定だ。
人気のボディカラー トップ3は、以下のとおりだ。
●HEV
1)プラチナホワイトパールマイカ(45%)
2)アティチュードブラックマイカ(20%)
3)アッシュ(15%)
●PHEV
1)プラチナホワイトパールマイカ(55%)
2)アッシュ(20%)
3)エモーショナルレッドII(5%)
と、PHEVでは半分以上、HEVでも半分近くがプラチナホワイトパールマイカという輝く白を選んでいる。発表会でも登場し、訴求色のひとつと思われるアッシュ(グレー)もなかなか人気を集めているようだ。