メルセデスEQ EQS 450+(Mercedes-EQ EQS 450+)
現行モデル発表日:2022年9月29日
車両価格:1563万円

長距離ドライブに出かけたくなるBEV

充電インフラが決して充実しているとはいえない日本では、大容量バッテリーを搭載して長い航距距離を実現するのもひとつの解だ。

メルセデス・ベンツのSクラスは、最高級の静粛性や乗り心地、そしてラグジュアリーさを誇り、メルセデスのフラッグシップに相応しいクルマである。そのBEV版と言えるのがこのEQSで、専用アーキテクチャーを採用し、大容量バッテリーの搭載、先進の安全性、そしてBEVにとって大きな課題となる軽量化も実現した。

BEVは、騒音や振動の源となるエンジンがないことで、車内では風切り音やタイヤの走行音など、これまでのエンジン車とは違う部分が気になるのだが、そこはさすがメルセデス、そうしたことを一切遮断し、室内はとても静粛、そしてとてもリラックスできる空間になっている。

ラインナップは、当初はリアにモーターを搭載したRWDでシステム最高出力245kW(333ps)、システム最大トルク568Nmの「450+」と、フロントとリアにそれぞれモーターを搭載し、システム最高出力484kW(658ps)、システム最大トルク950Nmを発生する4WDの「AMG53 4マティック」の2グレードの構成だったが現在は450+のみとなった。一充電時における航続距離はWLTCモードは700kmとなる。この700kmという数値は日本で販売されるBEVの中で最長の距離となる。

搭載する駆動用のリチウムイオンバッテリーの容量は、107.8kWとかなり大きい。つまり満充電までにはそれなりに時間が必要(10→80%までは、150kWの急速充電で約48分、 90kWの急速充電では約55分、50kWの急速充電で約110分)だが、それでも一度充電してしまえばこれだけ長い距離が走れるということはかなり魅力である。 1日で700kmも一気に走ってしまう人はそれほど多くないからだ。

興味深いのは、標準装備されるマルチコントロールシートバックパッケージでドライバーや助手席に座る人を快適にする機能である。これはシートに内蔵されたエアチャンバーが座る人の体格に合わせてシート形状を変化させるというもの。マッサージ機能も装備されているから、長距離ドライブに出かけたくなるBEVである。(文:Motor Magazine編集部 千葉知充)

画像: EQEがセダンスタイルなのに対し、EQSはテールゲートを持つハッチバックスタイルを採用する。

EQEがセダンスタイルなのに対し、EQSはテールゲートを持つハッチバックスタイルを採用する。

メルセデスEQ EQS 450+ 主要諸元

全長:5225mm
全幅:1925mm
全高:1520mm
ホイールベース:3210mm
重量:2530kg
パワーユニット:1モーター(リア)
モーター種類:交流同期電動機 
システム最高出力:245kw (333ps) /4147-11544rpm
最大トルク:568Nm/0-4060rpm
バッテリー容量:107.8kWh
一充電走行距離:700km
駆動方式:RWD
サスペンション形式:前4リンク 後マルチリンク
タイヤサイズ:265/40R21
乗車定員:5名

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