スバルの運転支援システム「アイサイト」が新型SUBARU BRZのMT車に搭載された。今回は特設コースで新型BRZに試乗してアイサイトの機能の1つプリクラッシュブレーキを体験。「スポーツモデルの安全性」について考えてみた。(Motor Magazine 2023年12月号より)

MT車向けアイサイトの機能は5つ

MT車向けアイサイトの機能は、「プリクラッシュブレーキ」「追従機能付きクルーズコントロール」「車線逸脱警報」「ふらつき警報」「先行車発進お知らせ機能」の5つ。その中でも「ぶつからない」と「疲れない」を実現するのが、プリクラッシュブレーキと追従機能付きクルーズコントロールである。

画像: プリクラッシュブレーキとともに搭載されたACCはMT車でも高速道路移動時などの疲労軽減に繋がるはずだ。

プリクラッシュブレーキとともに搭載されたACCはMT車でも高速道路移動時などの疲労軽減に繋がるはずだ。

まず、追従機能付きクルーズコントロールだが、MT車でも違和感なく使えるように加減速の制御が工夫されている。使用中はギアチェンジも可能だが、ニュートラル状態やクラッチを踏んで5秒経つと解除されたり、6速で25km/h以下(エンジンがストールしない速度)になると解除されるというMТ車ならではの条件も付く。

次にブレーキ制御で衝突回避をサポートするプリクラッシュブレーキだが、通常は1km/h以上、ニュートラルやクラッチが繋がっていなければ8km/hから作動する。またスポーツ走行時など任意でオフにすることも可能だ。

SUBARUは「安全に停止する」に拘る

この「安全に停止する」という部分にスバルはとくにこだわりがある。「プリクラッシュブレーキが作動して停止した後もブレーキをそのまま保持します。他社ではエンストと同時に制御が解除されたりギアロックだけの場合もあるのですが、スバルではブレーキを保持し、アイサイトからドライバーの制御に移り変わる部分でも安全に行ってほしいと考えています」と寺田氏。

画像: 富士スピードウェイのショートコースに作られた特設コースで、プリクラッシュブレーキを体験した。30km/h以下の低速であったが、クルマはしっかりと停止した。

富士スピードウェイのショートコースに作られた特設コースで、プリクラッシュブレーキを体験した。30km/h以下の低速であったが、クルマはしっかりと停止した。

今回は特設コースでこのプリクラッシュブレーキを体験することができた。障害物に向かって進みながら、自分でブレーキを踏まないというのはなかなか覚悟がいる。すると、障害物が迫る中、まずは「ピピピピピッ」という警告音と表示が出て、その後すぐに若干のブレーキが作動、そしてその直後「ピー」という警報とともに強力なブレーキでクルマはピタッと停止した。一瞬の出来事だった。

自分で操る楽しみがMT車の醍醐味なので、運転支援は不要と考える人もいるだろう。しかし、万が一の備えがあればより安心してドライブができるというもの。

MT車へのアイサイト搭載で着実に「死亡交通事故ゼロ」実現へ近づく。そしてスバルの安全思想と強い拘りが、スポーツモデルにも安心と楽しさを与えてくれるのだ。(文:中村圭吾/写真:井上雅行、SUBARU)

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