EXP100GTに共通するイメージで開発されたフライングスパーのオデッシアンエディション。その限定車の第2弾がベンテイガに設定された。(MotorMagazine2023年12月号)

ベントレーのサステイナビリティを追求したモデル

2030年に完全なEVブランドになると宣言しているベントレーは、2026年から毎年1モデルずつ新型BEVを発表する「5in5」戦略を発表している。

画像: システム最高出力462ps、最大トルク700Nmを発生。22インチの専用デザインホイールを装着する。

システム最高出力462ps、最大トルク700Nmを発生。22インチの専用デザインホイールを装着する。

そもそもベントレーは、工場のカーボンニュートラル化や、生物多様性を支援する養蜂活動、地域の川の環境保全、地域社会に暮らす人々の生活支援など行い、貧困、教育、ジェンダーの問題にも積極的に関わり、循環型社会の構築を目指しているメーカーである。

アインシュタインは「地球上からミツバチがいなくなったら人類はあと4年生きられるだろうか?」という有名な言葉を残しているが、ベントレーはまさしくこうした養蜂活動によって地球の良い環境を維持することに貢献しているのである。

ここで紹介する「ベンテイガ オデッシアンエディション」は、そんなベントレーの姿勢を体現、サステイナビリティを追求したモデルである。世界限定わずか70台で、日本での価格は3030万5000円となる。

ベンテイガ ハイブリッド(PHEV)をベースにした特別仕様車

2021年にフライングスパーで初めて設定されたオデッシアンエディションは、「ビヨンド100」戦略の一環として制作されたコンセプトカー「EXP100GT」を参考にデザインされたもので、ベンテイガ オデッシアンエディションもこのフライングスパーと同じプラグインハイブリッド(PHEV)モデルである。システム最高出力は462ps、最大トルクは700Nmを発生、WLTPモード値のEV走行可能距離は約45kmとなり、PHEVとしての魅力もかなり高い。

画像: インテリアにもサスティナビリティを意識した素材が使われている。オープンポア仕上げのコア材へのラッカーの使用量は従来比で約90%減少している。

インテリアにもサスティナビリティを意識した素材が使われている。オープンポア仕上げのコア材へのラッカーの使用量は従来比で約90%減少している。

インテリアには、環境へ配慮した素材や技法が選ばれ、ラッカーの使用量を減らして手触り良く仕上げた「オープンポア」のコア材や再生可能なウールによるツイードのパネルが採用されている。

ちなみに「ポア」とは導管のことで、オープンポアは、その導管が見える仕上げのこと。またこうした木材の持つ優雅な美しさと特有の木目をそのまま生かした塗装仕上げのことを「目はじき塗装」ともいい、木の表面に薄く硬い塗膜を作るので、汚れや傷に強い仕上げができるという特徴がある。

この稀少な限定車は、ベントレーの世界観とクラフトマンシップと環境に配慮したデザイン、そしてハイブリッドパワートレーンによる最高のパフォーマンスをすべて備えた1台なのである。
(文・千葉知充/写真・井上雅行)

主要諸元:ベントレー ベンテイガ オデッシアンエディション

●全長×全幅×全高:5125×1995×1740mm
●ホイールベース:2995mm
●車両重量:2690kg
●エンジン:V6DOHCツインターボ+モーター
●総排気量:2994cc
●最高出力:330kW(449ps)
●最大トルク:71.4kgm(700Nm)
●トランスミッション:8速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・75L
●0→100km/h加速:5.5秒
●車両価格(税込):3030万5000円

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