2023年11月15日、メルセデス・ベンツ日本は、フラッグシップであるSクラスのトップパフォーマンスモデル「メルセデスAMG S63 Eパフォーマンス」を発売すると発表した。

F1テクノロジーを基に開発された高性能バッテリー

出力140kW(190ps)を発生する交流同期モーターはリアアクスルに搭載されており、電動シフト式2速トランスミッションおよび電子制御式LSDとともにコンパクトなエレクトリックドライブユニット(EDU)にまとめられる。これはP3ハイブリッド(変速機内あるいは変速機よりも下流に電気モーターを置く)と呼ばれるレイアウトで、軽量の高性能バッテリーはリアアクスル上方に搭載されている。

画像: AMG専用アイテムを満載したインテリア。日本仕様は右ハンドルも選べる。

AMG専用アイテムを満載したインテリア。日本仕様は右ハンドルも選べる。

駆動用のハイパフォーマンスバッテリーは、メルセデスAMG ペトロナスF1チームが使用しているF1マシンの、きわめて苛酷な条件下で実証済みの先進テクノロジーを元に開発が進められた。バッテリー容量は13.1kWhで、連続出力80kW、最高出力140kW(10秒間)を発揮する。EV走行可能距離は、WLTCモード一充電走行距離で37kmだ。

バッテリーセルは直接冷却方式で約45度の最適な温度範囲に常に保たれる。回生ブレーキはAMGドライブコントロールスイッチで4段階に変えることができる。また、AMGダイナミックセレクトは、エレクトリック(電動)/コンフォート/バッテリーホールド/スポーツ/スポーツ+/スリッパリー(滑りやすい)/インディビデュアルの7つのドライブモードを設定している。

画像: 0→100km/h加速は、わずか3.3秒。しかもEV走行可能距離は、WLTCモード一充電走行距離で37kmだ。

0→100km/h加速は、わずか3.3秒。しかもEV走行可能距離は、WLTCモード一充電走行距離で37kmだ。

このシステムと組み合わされるトランスミッションは、トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現したAMGスピードシフトMCT9だ。

S63 Eパフォーマンスは、統合型車両運動特性制御システムのAMGダイナミクスやBSG(ベルトドリブン スターター ジェネレーター)、AMGダイナミックエンジンマウント(Sクラス初採用)、AMGライドコントロール+エアサスペンション、最大3度の角度まで作動するリアアクスルステアリング(後輪操舵)なども搭載している。

車両価格(税込)は、3576万円。ハンドル位置は左右とも選べる。このメルセデスAMG S63 Eパフォーマンスの追加で、日本仕様のSクラスは全7モデルとなった。

メルセデスAMG S 63 Eパフォーマンス 主要諸元(欧州仕様)

●全長×全幅×全高:5336×1921×1515mm
●ホイールベース:3216mm
●車両重量:2595kg
●エンジン:V8DOHCツインターボ+モーター
●総排気量:3982cc
●エンジン最高出力:450kW(612ps)/5500-6500rpm
●エンジン最大トルク:900Nm/2500-4500rpm
●モーター最高出力:140kW(190ps)
●モ−ター最大トルク:320Nm
●システム最高出力:590kW(802ps)
●システム最大トルク:1430Nm
●EV走行可能距離:33km
●バッテリー容量:13.1kWh
●トランスミッション:9速AT
●駆動方式:4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・76L
●タイヤサイズ:前255/45R20、後285/40R20
●EU総合燃費:22.7km/L
●最高速:250km/hリミッター作動(290km/hオプション)
●0→100km/h加速:3.3秒

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