毎年たくさんのクルマに試乗している編集スタッフが「2023年に乗ったクルマで、一番良かった、もっとも心に残ったクルマだった」と語るのが、2021年に予約受注が始まった「日産 アリア B9 e-4ORCE」。国産BEVの中でもひときわ上級感漂う1台の、どこが刺さったのでしょうか?

エンジン車では体験できないスムーズ&パワフルな加速

画像: 走りはパワフル。4WDシステムは1秒間に1万回の駆動力制御が可能。雪道でぜひ試してみたい。

走りはパワフル。4WDシステムは1秒間に1万回の駆動力制御が可能。雪道でぜひ試してみたい。

走り出すとやはりパワフルです。前後のモーターはそれぞれ最高出力160kW(218ps)、最大トルク300Nm(30.6kgm)を発生し、システム最高出力と最大トルクはそれぞれ290kW(394ps)、600Nm(61.1kgm)と、かなり強力です。

しかもモーター音などはもちろん聞こえますが、エンジン車と比べると「音もなく」と表現していいほど静かにスッと走り始めるのです。以前書いたB6(2WD)の試乗記の中で「魔法のじゅうたんに乗っているようだ」といった表現をしたのですが、B9 e-4ORCEでもこの感覚は変わりませんでした。

首都高に入るために登り坂になった合流車線でアクセルペダルを踏み込むと、その加速感は爽快です。底なしに力が湧き出てくる、そんな感覚です。これはB6の2WDも同じだったので、どちらを選んでも動力性能で不満を覚えることはないはずです。

B6(2WD)とB9 e-4ORCEの大きな違いは乗り心地です。運転しているぶんにはそれほど気になるものではないのですが、2WD車はやや乗り心地が硬いな、と感じるシーンがあり、後席の人はどうなんだろうと思ったのです。

しかし、B9 e-4ORCEではだいぶ乗り心地がしなやかなになっていました。大容量バッテリーや2モーターを搭載することによる重量増の効果か、それとも改善された足まわりのおかげなのかは定かでありませんが、良くなっていることは確かです。

デザイン性と利便性を見事に両立しているインテリア

画像: インパネのデザインはシンプルだが、スイッチ類はあるべき場所にあるので国産車ユーザーはとまどうことはない。

インパネのデザインはシンプルだが、スイッチ類はあるべき場所にあるので国産車ユーザーはとまどうことはない。

アリアで魅力を感じる部分は、外観や走りだけではありません。とても洗練されたインテリアも惹かれるポイントです。

インパネはセンターコンソールなどとは繋がっておらず、宙に浮いているようにセットされています。また、シフトノブがセットされたアームレストを兼ねた電動センターコンソールボックスは、スイッチ操作で任意の位置に150mmの範囲で前後スライドさせることができます。

この独特のインパネとセンターアームレストのおかげで、横方向のウォークスルーもできます。狭い駐車場などでは実に使い勝手が良いのです。

また、車内の収納スペース、カップホルダーとボトルホルダー、充電用のUSBソケットなどの配置と数も国産車らしく痒いところに手が届く充実ぶりです。

こういった使い勝手の良さや先述の可動式のセンターコンソールといった機能的な面は、セレナなどユーティリティを重視した日産車の特徴に通じるものを感じます。一見、デザイン優先のインテリアのようですが、使いやすさは犠牲になっていないこともアリアの美点なのです。

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