コンセプト ─── もっと静かに!からもっと長ーく静かに!!
「ADVAN dB V553」は、2017年より販売され高い評価を受けている「ADVAN dB V552」の後継モデルとなります。フラッグシップブランド「ADVAN」に、音圧を表す「dB(デシベル)」という符号がついているのを見ればわかるように、追求しているのは静粛性特化の高性能です。
日本市場においても、ユーザーがタイヤ選びの中で重視する要素として、「快適性」は常に高い比率を占めてきました。加えて最近では、ドライブも含めた長距離を走る機会が多いドライバーを中心に、「長続き」する静粛性が求められているといいます。
そのため、付加価値の高い商品戦略に長けた横浜ゴムのラインナップにあってV553は、ただ静かなだけでなく、上質な静粛性の持続という新たなプレミアム ラグジュアリー性も求められました。
上質な静粛性を生み出すにあたってADVAN dB V553は、パターンノイズの抑制とノイズ周波数の分散化を狙ったユニディレクショナルパターンデザインを採用しています。4本のストレートグルーブで5つのエリアに分けて、それぞれに最適なパターンを配しました。
テクノロジー考察 ─── イン側はウェット、アウト側はドライを担う
イン側から見て1列目ショルダーには、細かなブロックを配するとともに、2列目と3列目ではサイプと面取りの形状を調えることで、パターンノイズを抑制。イン側センターリブは千鳥配置とすることで、ノイズ全般の周波数分散を図っています。ちなみにイン側のパターンデザインは、排水性の向上にも気を配っているそうです。
ロードノイズ対策の要はADVAN dB専用コンパウンドを核とする、素材系や構造面でのブラッシュアップと言えるでしょう。人間が耳障りに感じる周波数帯のノイズを低減したり、タイヤの振動を抑制することで質の高い静粛性を実現しています。
クラウン クロスオーバーにフィットする225/45R21など、重量級のプレミアムモデルにも対応するラインナップが揃うことから、剛性確保も気になるところ。広い溝面積を確保しながらブロック剛性を高めるために、従来型よりもやや硬めのコンパウンドを使用しているようです。
また、アウター側に配された3Dサイプのラグ溝、イン側に比べてストレートグルーブを細めにするなど、最適化されたブロックの接地面などが、優れた操縦安定性を生み出します。
実はこの溝が、摩耗時のウェット性能やパターンノイズの低下を抑制するポイント。たとえばアウト側の溝が細くなっていることで、摩耗時には溝がさらに細くなり、パターンノイズの悪化を抑制するのだそうです。
なお、ADVAN dB V553は15インチ以下のコンパクト/軽自動車サイズにも、製品ラインナップを充実させています。より軽量な車両向けで幅が狭いサイズに対応するために、185以下では別パターンのADVAN dB「V553A」が用意されました。
発売当初は、この14~15インチのV553Aが17サイズ、195/65R15~21インチのV553は29サイズからの合計46サイズが設定されています。