王者ロバンペラのスポット参戦で混戦必至のタイトル争い
トップカテゴリーがハイブリッドユニットを搭載する「ラリー1(Rally1)」となって3シーズン目、今シーズンはテクニカルレギュレーションに大きな変更はないが、ポイントシステムには抜本的な変更が加えられた。
そのポイントシステムは、まず土曜日終了時点の総合順位に基づき、1位から10位までの選手およびマニュファクチャラーに18-15-13-10-8-6-4-3-2-1ポイントが付与される。ただし、これらのポイントを獲得するためには、日曜日も最後までステージを走りきる必要がある。それとは別に、日曜日に総合1位から7位に入った選手およびマニュファクチャラーに7-6-5-4-3-2-1ポイントが付与される。さらに、これまでと同じようにラリー終盤の「パワーステージ」では、トップ5タイムを記録した選手とチームに対し、最大5ポイントのボーナスが与えられる。
フルポイントで1イベント最大30ポイントを獲得できるのは従来と変わらないが、このポイントシステムにより土曜日までに大きな差をつけていても日曜日にペースを落とすことができなくなり、また土曜日までにトラブルなどで順位を落としても、日曜日にパワーステージのボーナスポイントを含め最大12ポイントを稼ぐことが可能となり、ラリー最終日となる日曜日がよりエキサイティングになると予想される。
トップカテゴリーに参戦するチームも、トヨタ、ヒョンデ、Mスポーツ・フォードの3強という図式で変更はなく、マシンもそれぞれ昨年のアップデートとなる。
ただし、ドライバーズタイトル争いは、2年連続王者のカッレ・ロバンペラ(トヨタ)がフルタイム参戦しないことで大きく変わってくることになりそうだ。トヨタはエルフィン・エバンスと勝田貴元が全戦に出場。3台目のGRヤリスのシートを、セバスチャン・オジェとロバンペラがシェアする。開幕戦のラリー・モンテカルロではオジェがエントリーする。
トヨタの最大のライバルとなるであろうヒョンデには、オイット・タナックが復帰し、ティエリー・ヌーヴィルとの2枚看板が復活。3台目のマシンをダニ・ソルド、エサペッカ・ラッピがシェアする強力な布陣となる。
ラリー・モンテカルロの優勝候補としては、オジェ、エバンス、ヌーヴィル、タナックらの名前があがるが、今シーズンのドライバーズタイトル争いとなると、まだまったくわからない。