ドイツ車の代名詞的存在とも言えるフォルクスワーゲン ゴルフ。コンパクトで実用的、さらに価格も手頃と世界で愛されてきた。その定番ともいえるゴルフをはじめ、ドイツ車とはどのようにして発展してきたのかを改めて見ていこう。(Motor Magazine 2024年3月号より)

フォルクスワーゲンを代表する日本でもポピュラーなゴルフ

フォルクスワーゲンを直訳すれば国民車になるが、より多くの国民に乗ってもらうために安いクルマを提供すると考えてはいけない。アウトバーンだけでなく市街地、郊外なども含めたドイツの道路事情に合ったクルマを提供するのがフォルクスワーゲンだ。

画像: 初代ゴルフ(1974〜1983年)。ビートルの後継モデルとして登場。デザインはジョルジェット・ジウジアーロによるもの。

初代ゴルフ(1974〜1983年)。ビートルの後継モデルとして登場。デザインはジョルジェット・ジウジアーロによるもの。

その中でもゴルフはフォルクスワーゲンを代表するモデルといえる。生まれたのは1974年。RRのビートルからFFに大変革して、8世代まで進化し、2024年は50周年を迎える。

ゴルフIのデザインはイタルデザインに委託されジウジアーロが担当しデビュー当時から傑作といわれていた。そしてゴルフI、II、IIIでは多くの日本人がディーゼルエンジンを体験したはずだ。そして外車という偏見を持たれずポピュラーな存在に。ゴルフは日本人にとっても国民車になった。それだけ国内でもたくさん販売されたということだ。

ゴルフIVになって高級化路線を匂わせるクルマになった。車幅も広くなり3.2L V6エンジンを搭載したR32も登場した。

画像: 4代目ゴルフ(1997〜2003年)。内外装の質感向上と大型化された。3.2L V6搭載の高出力版のR32も加わった。

4代目ゴルフ(1997〜2003年)。内外装の質感向上と大型化された。3.2L V6搭載の高出力版のR32も加わった。

ゴルフVIIはMQBと呼ぶ新しいモジュールプラットフォームを採用し、ボディの高剛性化と大幅な軽量化を実現。日本車を抑え初めて日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した記念すべきモデルとして記憶に残っている。

快適な乗り心地も実現して日常の足として使える

現行のゴルフVIIIは2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤーのインポート・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

画像: 5ドアハッチバックのゴルフGTI。荷室容量は通常で374L、リアシートを倒せば最大で1230Lとなる。

5ドアハッチバックのゴルフGTI。荷室容量は通常で374L、リアシートを倒せば最大で1230Lとなる。

今回、試乗したゴルフGTIはチェック柄を用いたセミバケットシートで伝統の“GTI”をアピールする。

初代ゴルフからラインナップするGTIは、そのジャジャ馬ぶりにドライビングの楽しさを感じていたが、現代のGTIはどっしりとした安定感だけではなく、快適な乗り心地も実現して日常の足として使うにも不便はない。

高級に、上品に、ここまで快適になるとドライバーのハラハラ、ドキドキは感じられなくなるのは、従来からのGTIとしてどうなのか? という疑問も湧く。

しかし、これは日本の道路で走っている中での話。ドイツ郊外のワインディングロード、アウトバーンを存分に走らせたときには、本来の価値を見出すことができるかもしれない。(文:こもだきよし/写真:井上雅行)

主要諸元 フォルクスワーゲン ゴルフ GTI

●全長:4925mm
●全幅:1790mm
●全高:1465mm
●ホイールベース:2620mm
●車両重量:1430kg
●エンジン:直4 DOHCターボ
●総排気量:1984cc
●最高出力:180kW(245ps)/5000-6500rpm
●最大トルク:370Nm(37.7kgm)/1600-4300rpm
●WLTPモード燃費:12.8km/L
●駆動方式:FF
●トランスミッション:7速DSG
●ブレーキ:フロントVディスク・リアVディスク
●タイヤサイズ :フロント225/40R18・リア225/40R18
●価格:514万4000円(税込)

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