パイオニア カロッツェリアブランドのカーナビゲーションとして最高峰となる「サイバーナビ」を愛車に搭載した、自動車評論家 会田 肇氏。向上したサウンドクオリティは、純正スピーカーでも満足できるものだったが、「もっといい音」に対する欲求を抑えることが難しいようだ。「毎日、使って」試してみるサイバーナビの魅力探訪レポート第2回は、音のグレードアップに直結するスピーカー選びのお話。

■特別企画:「私がカロッツェリア サイバーナビを選んだ理由」記事一覧
第1回:最新モデルが誇る「史上最高音質」、そして優れたコネクト品質と伝統の高精度
第2回:「史上最高音質」の真髄を味わい尽くす、スピーカーのグレードアップに挑戦
第3回:自車位置はブレない、だから迷わない!20数年をかけてきた「真の最高精度」
第4回:HD画質がもたらす表現力と使いやすさ、多彩なエンタメ性能による「満足感」
第5回:カスタムフィットスピーカーで実感する「史上最高峰の高音質」のさらなる高み

純正スピーカーでも、サイバーナビの能力は引き出せる

私が新しい愛車として選んだ日産の最新のスーパーハイト軽ワゴン「ルークス」は、最上位グレード「ハイウェイスターGターボ」だ。

画像: ロングツーリングはもちろん、ちょっとご近所まで・・・のドライブにも、お気に入りの音楽は不可欠。原音再生にこだわり抜いたサイバーナビなら、車内で過ごす時間のクオリティまで高めてくれるはずだ。

ロングツーリングはもちろん、ちょっとご近所まで・・・のドライブにも、お気に入りの音楽は不可欠。原音再生にこだわり抜いたサイバーナビなら、車内で過ごす時間のクオリティまで高めてくれるはずだ。

このグレードにはフロントドアに2ウェイ4スピーカーが、リアにはフルレンジの2スピーカーが備わる。軽乗用車の音場構成としては、かなり充実していると言っていい。これなら、「サイバーナビ史上最高音質」を誇る「AVIC-CQ912III-DC」のポテンシャルを、フルに引き出すことができるだろう。

鍵を握るのは、高級オーディオ機器にも使われる高品質のパーツによって、優れた音質を再現してくれるサイバーナビのもうひとつの特徴的機能。車両ごとに最適な音場を実現する、きめ細かな調整能力だ。

私が愛車にサイバーナビを取り付けた後、まず実施したのが、サイバーナビ独自の「オートタイムアライメント&オートイコライザー」を使った、音響空間の最適化だった。

画像: 音響特性測定用マイクはこのように本体に接続、運転席ヘッドレストに固定して計測、調整を行う。

音響特性測定用マイクはこのように本体に接続、運転席ヘッドレストに固定して計測、調整を行う。

車室内は上半分が反射の多いガラスエリアで、下半分に吸音素材が多いシートを組み合わせている。音場としては、そうとう複雑な空間構成だ。しかもドライバーの耳からスピーカーまでの距離が一定ではないため、音楽を聴く条件としてはとてもバランスが悪い。

そんな悪条件を、「オートタイムアライメント&オートイコライザー」なら簡単に最適化することができる。

設定には別売の音響特性測定用マイク「CD-MC1」が必要になるが、これをヘッドレスト部に置き、サイバーナビ本体を操作して調整をスタートさせる。するとあら不思議・・・わずか4~5分で、最適な音場設定が完了した。

聴きなれるほどに感じられる「純正スピーカーの限界」

もともとこうした音場調整の作業は、上質な音にこだわるならば不可欠。通常は、カーオーディオに関して経験豊富なプロショップが、時間をかけて設定してくれるものだった。

画像: 調整後の数値がこちら。純正スピーカーを使った状態でサイバーナビが選んだベストなセッティングだ。

調整後の数値がこちら。純正スピーカーを使った状態でサイバーナビが選んだベストなセッティングだ。

それがサイバーナビなら手間暇をかけることなく、誰でも最高の音場空間で音楽を楽しむことができる。たとえ純正スピーカーとの組み合わせであっても、その実力をフルに引き出す設定が誰でも簡単に行えてしまう。

設定後に、聴きなれたはずのお気に入りコンテンツを再生してみると、その差は歴然だった。ドライバー席の前にボーカルがきれいに定位し、ダッシュボード上にステージ感が広がっていく。今までは何となく不明瞭だった音像がはっきりとわかるようになった。

これはもはや、設定前には戻れそうにない・・・と大満足だったのだが、ほどなくさらに欲が出てしまうことになる。

人の耳はなんとも贅沢なもので、聴いているうちに低域のダンピングやトゥイーターの切れがイマイチに思えてきたのだ。これは明らかに、純正スピーカーの限界が見えてきたことの証しと言える。

「クルマで良い音を聴きたい」そう思っている人は多いと思うが、その際に真っ先に関心が向くのはヘッドユニットの交換であることがほとんどだ。

もちろん、それ自体が間違いということではないが、一方で本当に良い音を聴くための基本は、音の出口であるスピーカーのグレードアップが極めて重要であることは意外に知られていない。

そこで、まずはフロントスピーカーを、カロッツェリアの17cmセパレート2ウェイスピーカー「TS-C1730SII」に交換してみることにした。

もっといい音をスマートに楽しむための、スピーカー選び

「TS-C1730SII」を選んだ理由は、スピーカーを交換することで、ルークスのオリジナル雰囲気を損なってしまうのも気が引けたからだ。「TS-C1730SII」には、トゥイーターをルークスのグリル内に収めるためのアタッチメントが付属していて、トゥイーターを露出することなく取付けられる。

画像: カロッツェリア TS-C1730SIIは、2021年11月から発売が開始された「カスタムフィットスピーカー Cシリーズ」の第二世代モデル。艶があり、細かい音まで忠実に再現する2.9cmトゥイーターを採用している。ダッシュボードの純正トゥイーター取付位置に合わせた専用チューニングを施すことで、車室内において理想の音場特性を実現してくれるのだ。

カロッツェリア TS-C1730SIIは、2021年11月から発売が開始された「カスタムフィットスピーカー Cシリーズ」の第二世代モデル。艶があり、細かい音まで忠実に再現する2.9cmトゥイーターを採用している。ダッシュボードの純正トゥイーター取付位置に合わせた専用チューニングを施すことで、車室内において理想の音場特性を実現してくれるのだ。

一方でウーファーは、インナーバッフル経由で取付けることになる。これは純正スピーカー位置にそのまま取付けると、市販スピーカーのマグネットがウインドウガラスを下げた時に当たってしまうためだ。

ちなみにバッフルは、音質を高める役割も担ってくれる。スピーカーはコーンの振幅によって音が出ていることはご存じだと思うが、その振幅をフルに発揮させるためにはスピーカーユニットの取付け部をしっかり固定する必要がある。そこが柔(ヤワ)だと、コーンの振幅効率が落ちてしまう。

インナーバッフルを組み合わせることで、この取付け部の剛性を高めることができる。つまり、スピーカー本来の実力を発揮できるようになるわけだ。

「TS-C1730SII」は基本的に加工せずに取付けられるトレードイン型スピーカーなので、少し手間はかかるものの、一般ユーザーでもDIY交換が可能だ。だが、ここはやはり万全を期して、カーオーディオのプロショップにお願いすることにした。

スピーカーのグレードアップで、果たしてサウンドはどこまでレベルアップするのか・・・音楽を楽しむデバイスとしてのサイバーナビの「さらなる本領発揮」については、スピーカーの取付け後に改めてレポートしたいと思う。

画像: スピーカーを交換する前に、ロングツーリングに出かけることになりそうな会田ルークス号。「サイバーナビ AVIC-CQ912III-DC」のナビゲーションシステムとしての優秀性を、徹底的にチェックする予定だ。

スピーカーを交換する前に、ロングツーリングに出かけることになりそうな会田ルークス号。「サイバーナビ AVIC-CQ912III-DC」のナビゲーションシステムとしての優秀性を、徹底的にチェックする予定だ。

カスタムフィットスピーカー Cシリーズ「TS-C1730S II」

画像: カスタムフィットスピーカーCシリーズの大きな特徴のひとつが、豊かな臨場感を再現したハイレゾ音源の再生。低歪みと指向性に優れる「Open&Smooth」コンセプトを踏襲するとともに、超高域再生まで可能にするトゥイーター(「TS-C1730SII」は2.9cmバランスドドームダイアフラム)を組み合わせ、充実した中域再生を実現している。トゥイーターの角度を変えられるロータリー機構や、取付ブランケットとスピーカー端子へのワンタッチ接続アダプターなど、純正トレードに必要なパーツ類もしっかりキット化されている。価格はオープン。

カスタムフィットスピーカーCシリーズの大きな特徴のひとつが、豊かな臨場感を再現したハイレゾ音源の再生。低歪みと指向性に優れる「Open&Smooth」コンセプトを踏襲するとともに、超高域再生まで可能にするトゥイーター(「TS-C1730SII」は2.9cmバランスドドームダイアフラム)を組み合わせ、充実した中域再生を実現している。トゥイーターの角度を変えられるロータリー機構や、取付ブランケットとスピーカー端子へのワンタッチ接続アダプターなど、純正トレードに必要なパーツ類もしっかりキット化されている。価格はオープン。

カスタムフィットスピーカー Cシリーズ「TS-C1730S II」 主な仕様

●キット内容:ウーファー×2/トゥイーター×2/ネットワーク×2
●スピーカー構成:17cm 2層構造アラミドファイバーコーンウーファー/2.9cmバランスドドームトゥイーター
●瞬間最大入力/定格入力:180W/50W
●再生周波数帯域/出力音圧レベル:33Hz~64,000Hz/90dB
●インピーダンス:4Ω

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第2回:「史上最高音質」の真髄を味わい尽くす、スピーカーのグレードアップに挑戦
第3回:自車位置はブレない、だから迷わない!20数年をかけてきた「真の最高精度」
第4回:HD画質がもたらす表現力と使いやすさ、多彩なエンタメ性能による「満足感」
第5回:カスタムフィットスピーカーで実感する「史上最高峰の高音質」のさらなる高み

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