街乗りで硬い足まわりが生む「オンザレール感覚」

パワートレーンはフロントに226ps、リアに383psの最高出力を発生する電気モーターが配され、最大740Nmのトルクを発生する。また走行状況に応じて前後アクスルのトルク配分を10%〜90%の間で自在に変化できる。

画像: 専用のヘッドレスト一体型スポーツシートを装着する。大きなサイドサポートが備わっており身体をしっかりホールドしてくれる。

専用のヘッドレスト一体型スポーツシートを装着する。大きなサイドサポートが備わっており身体をしっかりホールドしてくれる。

面白いのはこの電動パワーがあたかも8速ギアを介して走行しているように制御されていることだ。走行モードをスポーツにしてアクセルペダルを踏み込むと、人工の電子サウンドがまるでシフトアップしているかのように車内に響き、圧巻の加速が始まる。

加速時の姿勢は、3000mmのロングホイールベースのおかげもあり非常に安定している。一方で足まわりは、やはりスポーツモデルらしい硬さで、路面の悪いアメリカ西海岸のハイウェイでの120km/h程度の巡航では低扁平タイヤを通じて、ダイレクトなショックが伝わってくる。

ただしこの硬さはワインディングコースに入ればコーナリング時のロールを抑え、オンザレール感覚でラインをトレースすることに大いに貢献する。さらに電子制御のリミテッドスリップデフはきれいなドリフトを見せるように適切な介入を実現していた。

画像: 試乗コースは、走り屋の聖地と呼ばれる北米ロサンゼルス近郊の「アンヘレス・ハイウェイ」だった。車両重量は2300kgを越えるが、身のこなしは軽快だ。

試乗コースは、走り屋の聖地と呼ばれる北米ロサンゼルス近郊の「アンヘレス・ハイウェイ」だった。車両重量は2300kgを越えるが、身のこなしは軽快だ。

アルバート・ビアマン氏はすでに引退したが、彼はこのクルマの開発にあたって「ICE搭載のスポーツモデルに引けを取らないどころか、電気モーターによる優れた反応特性を活かした新しい領域のスポーツモデルを目指した」と表現した。

その言葉どおり、アイオニック5 Nは電気モーター駆動の特徴を生かした素晴らしいEVスポーツモデルだった。日本ブランドも負けていられない。(文:木村好宏/写真:キムラ・オフィス)

■ヒョンデ アイオニック 5 N 主要諸元(欧州仕様車)

画像: 「N」マークは、BEVの新たな領域を拓くアイコンなのかもしれない。

「N」マークは、BEVの新たな領域を拓くアイコンなのかもしれない。

●全長×全幅×全高:4715×1940×1585mm
●ホイールベース:3000mm
●トレッド前/後:1667/1672mm
●車両重量:2310kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力 前/後:166kW(226ps)/282kW(383ps)
●システム最高出力:478kW(650ps)
●システム最大トルク:740Nm(75.5kgm)
●バッテリー総電力量:84.0kWh
●WLTPモード航続距離:448km
●0→96km/h加速:3.4sec
●最高速度:259km/h
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:275/35R21
●ドイツでの販売価格(付加価値税込/日本円換算):約1215万円

■参考:ヒョンデ アイオニック5 ラウンジ AWD 主要諸元

●全長×全幅×全高:4635×1890×1645mm
●ホイールベース:3000mm
●車両重量:2100kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:225kW(305ps)/2800-8600rpm
●最大トルク:605Nm(61.7kgm)/0-4000rpm
●バッテリー総電力量:72.6kWh
●WLTCモード航続距離:577km
●駆動方式:4WD
●タイヤサイズ:255/45R20
●日本国内での車両価格(税込):589万円

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