V8ツインターボエンジンをリアミッドに搭載するマクラーン750Sは、先代モデルである720Sを全方位で進化させている。クーペとともに新たに追加された750Sスパイダーを同時に連れ出し、それぞれの個性を探った。
緊張感、扱いづらさはまったく感じない
いざスタート、となると、ちょっと緊張した。さすがにスラントしたノーズはまったく目視できず、車幅も掴みにくいからだ。でも、一般道に出てサイドミラーを確認すると、車線に余裕があることが認識でき、ようやくひと安心した。さぁ、ドライブを堪能、というところだったが首都高に乗るとすぐに渋滞にハマってしまった。
4L V8ツインターボエンジンを搭載する750Sは、750ps、800Nmという凄まじいパワースペックを有する。しかし、渋滞で数mずつチョコチョコ進むような状況ではきれいに爪を隠し、飛び出し感とか、パワーに振り回されるような感じはまったくなく、このような状況でも扱いづらさを感じさせない。2ペダルだし、アイドリングストップも装備されている。
やがて渋滞を抜けて流れ出すも、首都高は路面の継ぎ目が続く。サーキットであれほどまでに勇ましく走るのに、こんなシーンでもまったく不快感のない跨ぎ方を見せる。突き上げもなく、それでいてフラット。まるで魔法のサスペンションだ。
試しにハンドリングのスイッチをSPORTモードにしてみると、硬い、柔らかいというような変化よりも、路面からの入力がより素早く収束するという感じの変化。ただし、TRACKモードではさすがに突き上げがキツかった。
パワートレーンは、SPORTにすると明らかにアクセルレスポンスが高まる。けっして大袈裟でなく、ちょっとアクセルペダルを煽っただけで、内臓が動くようなトルク感が伝わる。いずれも、モードによってかなりの違いがあり、その差が大きい。だからこそ、一般道からサーキットまで、快適に走れるのだろう。