サクラは、新しい軽自動車の市場を開拓した
サクラを選んだ理由としては、①国や地方からの補助金(現在でも満額の55万円)、②自宅で充電できる(ガソリンスタンドに行かずに済む)、③燃料費(電気代)が安く済む、④静粛性、⑤運転のしやすさ、などが挙げられている。
また、充電環境などの問題もあり、戸建てに住んでいるユーザーは軽自動車の平均より2割ほど高い。それゆえ、年齢層も高めで経済的にも余裕のある人が多いようだ。それでも、男女比率はほぼ半々だという。サクラのデビュー当初は2台持ち(セカンドカーとしてサクラを購入する)人が多かったが、最近ではファーストカーとして購入する人も増えている。「EVのサクラ」ではなく、「軽自動車のサクラ」として購入する人も少なくないようだ。
個人だけでなく法人や自治体での導入も進んでいる。営業車や商品配送をはじめ、JALグループでは5台のサクラを購入し、空港内での荷物輸送の牽引車として380kgのボンベを運ぶなど、さまざまな場で活躍している。
新しい軽自動車の市場を開拓してきた日産 サクラ。今後は他メーカーからも軽自動車のEVが登場予定だが、今のところは商用車が中心で乗用車に関する情報は少ない。となれば、2024年度もサクラが「日本でいちばん売れているEV」の座を堅持していくことになるのだろうか。(文:篠原 政明)
日産 サクラ G 主要諸元
●全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm
●ホイールベース:2495mm
●車両重量:1080kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:47kW/2302-10455rpm
●最大トルク:195Nm/0−2302rpm
●バッテリー総電力量:20kWh
●WLTCモード航続距離:180km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:155/65R14
●車両価格(税込):304万0400円