ツーリングカーレースが日本で一番熱かった9年間を1冊にまとめた「グループAレースクロニクル1985-1993 JTC9年間の軌跡(モーターマガジン社/2970円)」が1月31日から発売されている。ここでは、そこからの抜粋をお届けする。
身近さで人気沸騰。優勝車もバラエティに富む
1986年のJTCは全6戦で開催。開幕戦は3月23日、西日本サーキットの「全日本ツーリングカー選手権レース」だ。
ワークスチームを中心に力を入れてくるようになる年でもあった。ポールポジションを獲ったのが、昨年のインターTECで苦汁を飲んだニッサンスカイラインRSターボ(和田孝夫/鈴木亜久里)。決勝でも力強い走りを見せ、BMWを従えてシリーズ初優勝を飾った。
第2戦は「SUGOグループA300kmレース」。4月26日の予定だったが雨のため順延され7月27日に開催という日程だった。ポールポジションは、インターTECで活躍をみせたスタリオン(高橋国光/中谷明彦)、それにトミカPダッシュスカイライン(長谷見昌弘/舘善泰)が続く。しかし、決勝では予選3番手のトランピオ レビン(星野薫/高木正己)が格上クラスを抑え優勝した。
グループA人気の高まる中、都心から比較的近いこともあり、2万2800人という観衆を集めて行われたのが8月31日に開催された第3戦「86レース・ド・ニッポン筑波」だ。気温が34度という酷暑の中、ポールポジションは前戦に続きトミカPダッシュスカイライン(長谷見/舘)だった。
序盤は逃げるスカイラインの長谷見、追う予選2番手のスタリオンの高橋国光という展開。その後、スタリオンがトップに立つ。順位を下げるトミカPダッシュに変わって追い上げてきたのがニッサンスカイラインRSターボ(和田/鈴木)。スタリオンがピット作業中、一旦トップになるが、再びスタリオンが抜き返しスタリオン(高橋/中谷)の初優勝となった。