「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、メルセデス・ベンツ SL(6代目)だ。

アルミボディによる軽量化の効果は大きい

画像: ウインドディフレクターを上げてオープンエアモータリングを楽しめば、高速走行でも髪の毛はほとんど乱れない。

ウインドディフレクターを上げてオープンエアモータリングを楽しめば、高速走行でも髪の毛はほとんど乱れない。

今回試乗したSL350はAMGパッケージ装着モデルだったので、V8ツインターボのSL550に標準装着となるABC(アクティブ ボディ コントロール)も備わっていた。路面の状況を瞬時に捉え、高速道路、ワインディングロード、街中と、どんなシチュエーションでも安定して適度なしなやかさを保つ。しかも余分なロールはおさえ、もう見事と言うしかない乗り味だ。多少路面の悪い場所でも、コツンといった突き上げは一度も感じられなかった。

ハンドリング的にも変なクセはなく、大きさを感じずに取り回すことができる。言うまでもなく、鼻先の軽いSL350のほうが全体的に軽快なフィーリングだが、SL550の豪快なV8サウンドを響かせながら、トルクたっぷりにクルージングするという楽しみも捨てがたい。いつもは試乗した際に、どのグレードがいいか迷うことは少ないのだが、今回はまるで購入するので悩むような、どちらもそれぞれに魅力的だった。

ユーティリティ性能も、ボディ下に足を差し入れれば開閉できるトランク、オープン走行時に水しぶきを飛ばさないウインドーウオッシャー&ワイパー、そしてハイウエイでオープンエアモータリングを楽しんでも髪の毛はほとんど乱れないウインドディフレクター。まさに至れり尽くせり。もはや、このクルマにライバルはいないと言っても過言ではないだろう。

画像: 今回試乗したSL350のハンドル位置は左右とも選べるが、SL550は左のみ。SL350でも装備にまったく不満はない。

今回試乗したSL350のハンドル位置は左右とも選べるが、SL550は左のみ。SL350でも装備にまったく不満はない。

メルセデス・ベンツ SL350 ブルーエフィシェンシー 主要諸元

●全長×全幅×全高:4615×1875×1315mm
●ホイールベース:2585mm
●車両重量:1710kg
●エンジン:V6 DOHC
●総排気量:3497cc
●最高出力:225kW(306ps)/6500rpm
●最大トルク:370Nm(37.7㎏m)/3500ー5250rpm
●トランスミッション:7速AT
●駆動方式:FR
●燃料・タンク容量:プレミアム・75L
●JC08モード燃費:12.8km/L
●タイヤサイズ:前255/40R18、後285/35R18
●当時の車両価格(税込):1190万円

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