圧倒的旋回性能。サーキットで本領を見せつける
そんな上質な乗り心地を備えたレンジローバースポーツSVが、サーキットでもバツグンのコーナリング性能を発揮するのだから唖然とするしかない。
なにしろ、ミシュラン・パイロットスポーツS5を履いたときの最大コーナリングGは実に1.3G(標準装備はパイロットスポーツ・オールシーズン4)。ひと昔前は1G程度が限界と言われていたことを考えると、その進化ぶりはすさまじいのひとこと。
もちろん、軽量スポーツカーのようなヒラヒラ感は味わえないけれど、高性能SUVとして最上級のコーナリング性能であることは間違いない。
一般道では快適なのにサーキットで無類のパフォーマンスを発揮する秘密は、新機軸の6Dダイナミックエアサスペンションにある。
これは前後左右に設けられたダンパーの油圧回路を互い違いに結ぶことでロールやピッチを抑える効果を自ら生み出すシステム。おかげでアンチロールバーが不要になったことが、乗り心地の改善につながったようだ。
いずれにせよ、普段は優雅な佇まいなのに、いざとなれば圧倒的なパフォーマンスを発揮できる点にレンジローバースポーツSVの真骨頂はある。その慎ましさ、そして高性能に対する秘めたる喜びは、良識あるスポーツマンにこの上ない幸福感をもたらすだろう。(文:大谷達也/写真:ジャガー・ランドローバー・オートモーティブ PLC)
ランドローバー レンジローバー スポーツSV 主要諸元
●Engine
エンジン種類:V8DOHCツインターボ
排気量:4395cc
ボア×ストローク:89点0×88.3mm
圧縮比:10.5
エンジン最高出力:467kW(635ps)/6000-7000rpm
エンジン最大トルク: 750Nm/1800-5855rpm
燃料・タンク容量 L:プレミアム・90L
WLTPモード燃費:8.0-8.5km/L
CO2排出量:267-282g/km(WLTPモード)
●Dimension&Weight
全長×全幅×全高:4970×2047(※1)×1814(※2)mm
ホイールベース:2998mm
トレッド 前/後:1714/1723mm
車両重量:2485kg
ターニングサークル:11.43m乗車定員:5名
●Chassis
駆動方式:4WD
トランスミッション:8速AT
サスペンション形式 前/後:ストラット/マルチリンク
ブレーキ 前/後:Vディスク/Vディスク
タイヤサイズ 前、後:285/40R23、305/35R23
●Performance
0→100km加速タイム:3.8sec
最高速:290km/h
※1 ミラー格納時 ※2 アンテナを含む