この連載では、昭和30年~55年(1955年〜1980年)までに発売され、名車と呼ばれるクルマたちを詳細に紹介しよう。その第61回目は、スペシャリティカーの魅力を日本に知らしめたトヨタ セリカ1600GTの登場だ。(現在販売中のMOOK「昭和の名車・完全版Volume.1」より)
VARIATION<レースで勝つために生まれたマシン>
昭和47年(1972年)8月に追加設定されたセリカ1600GTVは、スパルタンでレーシーなモデルだった。パワーウインドウやラジオなど快適豪華装備は一切なし。レース参戦を念頭に、徹底的に軽量化が図られる一方で。サスペンションは専用のハードタイプを装備していた。エンジンに変更はなかったが、レースで勝つことだけを考えてセッティングされていた。
EPISODE
昭和44年(1969年)の第16回東京モーターショーはトヨタが出展した「トヨタEX-1」に話題騷然となった。アメリカではサンダーバードやマスタングといった「スペシャリティカー」が人気を集めていたが、トヨタEX-1は日本にもそんな時代が来ることを予感させた。翌45(1970)年10月、それを現実化したセリカが市販された。
トヨタ セリカ1600GT(TA22型)諸元
●全長×全幅×全高:4165×1600×1310mm
●ホイールベース:2425mm
●車両重量:940kg
●エンジン型式・種類:2T-G型・直4DOHC
●排気量:1588cc
●最高出力:115ps/6400rpm
●最大トルク:14.5kgm/5200rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:6.45H-13-4PR
●新車価格:87万5000円